東芝の不適切会計問題。国税OBの見解は?

東芝の不適切会計問題 連日、経済紙面を騒がせている東芝の「不適切会計問題」。株価にも影響を及ぼし、株主からの訴訟を避けられない状況にまで発展してきた。企業の決算や税金に精通している国税OBの見方はどうか? 『国税局資料調査課』の著書で、元国税実査官だった佐藤弘幸さんに話を聞いた。「国税局資料調査課」は、マルサをも凌ぐ国税最強部隊で、通称“リョウチョウ”“コメ”と呼ばれている。

「事実確認の程度により表現は多少異なりますが、『不適切会計』も『不正会計』も『粉飾決算』も、やっていることに差違はありません。厳格な定義はさておき、会計ルールから逸脱して利益操作していることを『粉飾決算』と呼びます」と指摘する。

「粉飾決算には2種類あります。普通に『粉飾決算』という場合、通常は“利益の水増し”のことを指します。これは、株価対策や株主対策を目的としたものです。虚偽利益による財務報告になるので、配当原資がないのに配当をする、いわゆる“タコ足配当”になるケースもあります」(佐藤弘幸さん)

 これに対し、“利益の圧縮(減額)”は「逆粉飾決算」と呼ぶそうだ。

「逆粉飾決算は一般的には過少申告になります。法人税の計算は、税引後当期利益からスタートし、税法の要請により加減算した残りの金額が課税所得になる。この課税所得に法人税がかかるのです。粉飾によって課税所得を過少申告した場合、納めるべき法人税が少なくなります。国税は追徴が仕事なので、税務調査で狙うのは、この逆粉飾決算です」(佐藤さん)

 利益や所得を少なく見せ、浮いたお金を懐に入れるような、グレーな節税や脱税をイメージしてもらえばいいだろう。

「国税が嫌うのは前者の粉飾決算、つまり“利益のかさ上げ”のほうです。税務調査の現場では、調査中に粉飾を発見してしまうことが、ままあります。“発見してしまう”、と表現したのは、調査官にとっては『ババを引いた』も同然だから。国税は過少申告(逆粉飾決算)を見つけて追徴をしなければならないのに、利益の過大申告(粉飾決算)を見つけると追徴できないからです。追徴に対してこれを『認容』(マイナス)と呼びます」(佐藤さん)

 例えば、損金算入できるのにし忘れていた、などの場合だ。

「東芝は“利益のかさ上げ”ですから、国税にとっては少々手間がかかるうえ、追徴ができない面倒な案件と見ている人が多いのではないでしょうか。ちなみに、現職のときには、粉飾のことを“ドレッシング”とか“粉っぽい”などと呼んでいた記憶がありますね」(佐藤さん)

【元国税実査官・佐藤弘幸】
国税局資料調査課1967年生まれ。東京国税局課税第一部課税総括課、電子商取引専門調査チーム(現在の統括国税実査官)、統括国税実査官(情報担当)、課税第二部資料調査第二課、同部第三課に勤務。主として大口、悪質、困難、海外、宗教、電子商取引事案の税務調査を担当。退官までの4年間は、大型不正事案の企画・立案に従事した。2011年、東京国税局主査で退官。現在、税理士。いわゆる“マルサ”は国税局査察部のことであるが、“コメ”は国税局資料調査課のことで、「料」の字の偏からとった隠語。一般にマルサなどに属する国税局員は「調査官」と呼ぶが、資料調査課は「実査官」と呼ぶ。
<取材・文/日刊SPA!取材班>

国税局資料調査課

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