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14歳でカナダのトップ大学に合格。大川翔くんの大学生活とは?

大川翔くん

カナダ総督からもらった「アカデミック・メダル」を手にする翔くん

 昨年、日刊SPA!で第一報を伝えた、カナダ在住の14歳の天才少年・大川翔くんを覚えているだろうか。  9歳で政府に「ギフティッド(天才児)」認定され、14歳で現地の公立高校を卒業し、カナダのトップ5大学から奨学金付きで「ぜひわが校に!」とスカウトされた、すごい少年だ。  その大川君が、夏休みを利用して日本に帰国したところを、インタビューした。  昨年9月にカナダのブリティッシュ・コロンビア大学サイエンス学部に入学。3万ドルの返済不要の奨学金と、教授のリサーチ・アシスタントの職(給与付き)を得て、大学1年生を修了した大川君に、大学生活の様子を聞いてみると……。 ◆大学の得意科目で100%の成績! 学生代表選挙に立候補 「4月に無事、大学1年を終えました。11コース34単位取って、全部パスしました。普通は1年で27単位くらいを取るものらしいんですが、やりたいことが多すぎて、頑張っちゃいました。ある科目では教授からメールが来て、中間試験や提出物や期末試験などを総合した最終成績が『100%だったよ! よくやったね!』と言われて、びっくりしました」  同大学では1年生でドロップアウトしてしまう生徒も少なくないらしく、100%という成績はきわめて珍しいとか。大川君はカナダ中のエリートが集まる大学でも、優秀な成績を収めているらしい。 「学業以外には、ボランティアをやったり、教授のアシスタント仕事をしたり。それと、入学してすぐに、サイエンス学部の学生代表選挙に打って出ました。学生寮を回っていろんな生徒と親しくなり、いわゆるドブ板選挙を展開、一年生代表に当選しました。当選してからは、学生たちのよろず相談にのったり、イベントをコーディネートしたり、忙しかったけど、いい経験になりました」  本来、高校1年生のはずの大川君が、3歳年上の同級生たちにアドバイスをしたり、学内イベントを引率している図というのは、さぞかし不思議な光景だろう。 ◆カナダ総督から「アカデミック・メダル」を授与  そんなスーパー大学生の大川君だが、高校時代の優秀な学業成績を称えられて、今年1月には、カナダの元首にあたるカナダ総督(エリザベス2世女王陛下の名代)から「アカデミック・メダル」(Governor General’s Academic Medal)を受賞したそうだ。 「カナダの学生にとって最も名誉といえる賞をいただいて、本当に嬉しいです! 5歳の時に、英語の読み書きができないままカナダに来て、必死で追いつこうと頑張った僕の10年間が結実したような感じ。応援して支えてくれた人たちに感謝の気持ちを伝えたいし、僕が学んできたことをいつか社会に還元できるよう、これからももっと頑張りたいです」 ◆“ギフティッド”を育てた母親の教育法とは?
9歳までに地頭を鍛える! 37の秘訣

翔くんの母である栄美子さんが書いた教育法

 向かうところ死角なしといった感じの大川君だが、やはり小さい頃から優秀だったのだろうか? 「うちの翔は、決して特殊ではありません」というのは、お母さんの栄美子さんだ。 「我が家は共働きでしたから、忙しくて十分なことはしてあげられませんでしたが、0歳から保育園に預け、裸足で生活し、本の読み聞かせをしてもらえたのは大きかったですね。自宅では幼児語で話しかけず、たとえ意味は分からなくても、いろいろな絵本をたくさん読み聞かせたり、話しかけたりしました。カナダに来てからは、近所の女子小学生(カナダ人)たちをベビーシッターに雇い、図書館で借りた英語の絵本をかたっぱしから読み聞かせしてもらって、英語を習得していきました」  それにしても、普通の子どもをどうやって育てたら、こんな勉強好きになるのか。 「勉強を勉強と思わないように、楽しく習慣化することですね。たとえば我が家では毎朝15分ほど、親子で計算バトルをするのが日課でした。どんなことでも競争相手がいると燃えるもの。親が疑似ライバルになって、ストップウォッチも使って、計算問題を『よ~いドン!』で競うんです。親が勝ったら、子どもを奮起させるようなフォローの言葉をかけることが大切ですし、たまにはギリギリのところで負けてあげるなど、子どもの性格に応じて、演技力も多少は必要でしょうね」 ◆成功体験が子どもの自尊感情を高める  そんな栄美子さんが、翔君に対して行ってきたさまざまな教育法を、『9歳までに地頭を鍛える! 37の秘訣』(大川栄美子/扶桑社)として上梓した。  この中には、「勉強をゲーム化する」「キッチンテーブルには地球儀と地図帳」「鏡を使って本を読み聞かせる」「子どものセルフ・エスティームを高める」「勉強しろではなく、『早く寝ろ』」など、興味深いノウハウがたくさん詰まっている。  中でも聞きなれない「セルフ・エスティーム」とは、いったい何だろうか。 「セルフ・エスティームとは、自尊感情、自己肯定感を意味する英語です。子どもが自分のことを大切に思える気持ち、自分に対する自信がちゃんと持てないと、自暴自棄になり、チャレンジ意欲が湧きません。私は学生時代には家庭教師・塾講師として小学生から高校生までを、また弁護士となってからは、大学や法科大学院で学生らを多数教えてきました。その中で、つねに心がけてきたことは、子どもたちのセルフ・エスティームを高めることです。そのためには子どもたちの話を肯定的に聞き、少しでもできたら褒めまくること。小さなことでも良いので成功体験を積ませてやることですね」  英語のわからないカナダに行っても、大川翔くんが委縮することなく、伸び伸びと人と触れ合い、学ぶことに貪欲になっていった背景には、両親の深い愛情と細やかな教育法があった、と言えるのかもしれない。 <取材・文/日刊SPA!取材班>
9歳までに地頭を鍛える! 37の秘訣

14歳でカナダの名門5大学に合格した大川翔くん。その母親が実践した、0歳児からの子育て法とは?

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