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ユニクロで適当に買うと、どれほどダサくなるのか?

 メンズファッションバイヤー&ブロガーのMBです。洋服の買いつけの傍ら、「男のおしゃれ」についても執筆しています。連載第38回目をよろしくお願いします。
メンズファッションバイヤーのMB氏

メンズファッションバイヤーのMB氏。「『オシャレに見える』にはちゃんと理由があるんです」が持論(撮影/難波雄史)

 いつもユニクロなどのファストファッションで「いかにおしゃれになるか」を語っている当連載ですが、今回は「ユニクロでどれだけダサくなれるか」試してみましょう。 ▼ファストファッションだけでもおしゃれは可能!  毎週配信しているメールマガジン「現役メンズバイヤーが伝える洋服の着こなし&コーディネート診断」ではファストファッションでも「おしゃれに見せる」方法を語っています。 ⇒【写真】はコチラ nikkan-spa.jp/?attachment_id=915844
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ファストファッションには見えない着こなし

 こちらは2015年8月16日号で紹介したスタイル。脚長に見える小技や、色数を抑えるセオリーなどを使い、ファストファッションであっても高級ブランドに見えるようにバランスをとっています。  しかし、こういったセオリーや着こなしのテクニックを無視して、ユニクロで適当に洋服を買ってしまうと、どうなるでしょうか? ▼つい買ってしまうカジュアル要素が強いパンツは難しい!  まずユニクロでチョイスしたアイテムがこちら。つい買ってしまいがちなベージュ色のひざ下丈のカーゴパンツ。 ●ロールアップスリークォーターカーゴ(2990円+税) ⇒【写真】はコチラ nikkan-spa.jp/?attachment_id=915845
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カジュアル感が強すぎる!

 こういってはなんですが、おしゃれ感は一切ありません。どちらかというと「機能性>おしゃれ」で、シャカシャカしたスポーツライクな素材に、ウエスト周りはドローコード入りでベルトがいらないイージー仕様。はき心地こそ抜群ですが、ファッション的におしゃれに見せるのは決して楽なアイテムではありません。  メンズファッションはカジュアルな要素が多いほど子供っぽく見えます。カーゴパンツやスニーカーなどはまさにカジュアル要素であり、子供っぽさの象徴です。反対にスーツなどの「ドレス」は誰が着ても大人っぽく見えます。シンプルなデザインと黒白のモノトーンの配色、細みのシルエットこそ大人っぽさの象徴なのです。しかし、このカーゴパンツは、ベージュカラー、半端丈、太めのシルエットとカジュアル要素満載。これをコーディネート全体で大人っぽくバランスをとって「おしゃれに見せる」のはハードルが高いと言えるでしょう。 ▼つい買ってしまうチェックシャツに手を出すな! ●リネンコットンチェックシャツ(990円+税) ⇒【写真】はコチラ nikkan-spa.jp/?attachment_id=915849
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つい買いがちな派手なチェックシャツだが……

 続いてトップスに選んだのはこちら。一見夏っぽく、こちらもつい選んでしまうアイテムですが、チェックシャツのポイントは「色数」にあります。というのも、色数は多ければ多いほどカジュアルになり、上述のとおり、カジュアル要素が多いほど子供っぽさから脱却できなくなります。「合わせやすい」「パッと着てサマになる」チェックシャツのキモは、色数の少なさにあります。しかしながらこちらのチェックシャツは赤や黄色やブルーと色彩の強い色をふんだんに使っているので、子供っぽさが全開になってしまうのです。 ▼カジュアルアイテムを組み合わせたらダサい「お父さん」になった!  さてそんなアイテムを組み合わせてみると……いつも「ユニクロでもおしゃれに見せられる」という記事を執筆している手前、なんとも気が引けるのですが、今回は恥を忍んで野暮ったく生まれ変わってみましょう! ⇒【写真】はコチラ nikkan-spa.jp/?attachment_id=915854
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お父さん感がハンパない!

ユニクロで適当に買うと、どれほどダサくなるのか?06

こちらのほうが断然おしゃれです!

 どうでしょうか? 最初に紹介したコーディネートとはまるで別人。どちらもファストファッションを使ったコーディネートであるにもかかわらず、これだけ差が出てしまうのです。せっかく同じお金を払うのであれば、上手に着こなしておしゃれに見せたいもの。チェックシャツがおしゃれに見えないのは、決して表情のせいではなく、ちゃんとした「理由」があるのです。  実は、「ダサいとおしゃれ」は紙一重。ちょっとした気配り一つで印象は随分と変わります。例えば上のコーディネートでも、トップスを無地の細みのカットソーに変えるだけで、こう変わります。 ⇒【写真】はコチラ nikkan-spa.jp/?attachment_id=915855
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こっちのほうがマシ!

 まだまだ野暮ったいですが、チェックシャツとの組み合わせよりはマシでしょう。カジュアル要素の強いもの同士を合わせてしまうと一気に野暮ったくなります。鏡を見て「パッとしないな」という場合は、カジュアル要素が多すぎるのです。トップスかボトムス、せめてどちらかだけでも「ドレス」なアイテムにするか、手持ちがなければ、細みシルエット、または無地のシンプルデザインのものに変更してみましょう。スラックスや白シャツ、シンプルな黒のレザーシューズなど「ドレス」なアイテムがあれば、カジュアル要素は相殺できます。こういったアイテムを意識的に増やしていけば、逆に手持ちのカジュアルアイテムも活かせるようになります。  というのも、日本のアパレル市場はアメリカの影響を強く受けているため、アメカジだらけなのです。ほうっておくとワードローブはアメカジで占拠されてしまいます。ただし、おしゃれに見せるセオリーや着こなしの小技といった法則を知っていれば、「ドレス」の要素を取りいれて、簡単におしゃれに見せることができるようになります。最初にお見せしたコーディネートは、まさにこの「ドレスとカジュアルのバランス」に基づいたものであり、これは「センス」といった感覚的でつかみどころのないものではなく、法則として言葉にできるものなのです。9月17日に出版される書籍『最速でおしゃれに見せる方法』では詳細を語っていますのでぜひ、ご一読を! ユニクロだけでもオシャレはできるのです! 〈文/MB〉 ※『最速でおしゃれに見せる方法』購入者にMBさんのオリジナル[限定ブレスレット]を抽選でプレゼント
MB
ファッションバイヤー。最新刊『MBの偏愛ブランド図鑑』のほか、『最速でおしゃれに見せる方法 <実践編>』『最速でおしゃれに見せる方法』『幸服論――人生は服で簡単に変えられる』など関連書籍が累計200万部を突破。ブログ「Knower Mag現役メンズバイヤーが伝えるオシャレになる方法」、ユーチューブ「MBチャンネル」も話題に。年間の被服費は1000万円超! (Twitterアカウント:@MBKnowerMag

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