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松井玲奈の船出「SKE48は青春だった」。卒業コンサートレポ

 8月30日、豊田スタジアムで「松井玲奈・SKE48卒業コンサートin豊田スタジアム ~2588DAYS~」2日目が行われた。朝からあいにくの雨模様だった会場周辺だが、開演前には雲間から青空も見えるほどに回復。雨女と言われる松井玲奈だが最後の晴れ舞台とあってか天気も味方し最高の卒業コンサートの幕開けとなった。

松井玲奈にとって最後のコンサートが始まった

 2日目はファンもOvertureから全力の声援でメンバーを迎え入れた。1曲目の「強き者よ」の前には、SKE48の新たな船出を示唆する演出も加え、このコンサートが別れとともに新たな始まりを意味することを感じさせた。続く「賛成カワイイ!」「12月のカンガルー」「初恋の踏切」「恋を語る詩人になれなくて…」とメンバーとファンのこの日にかける思いが交差し、割れんばかりの声援、すべてを出し切ろうとする全力感が会場を包んでいく。高揚感から松井玲奈は「楽しすぎて卒業コンサートって気がしないんです。(宮澤)佐江ちゃんが2800日と(コンサートタイトルを)間違えたけど、そこまでやってもいいかなって気持ち」と発言し、会場をざわつかせた。

木﨑ゆりあも松井玲奈のために参戦

 前日とは打って変わってこの日のセットリストは松井玲奈のための構成がメインに。10曲目には松井玲奈と同い年の高柳明音、須田亜香里とともに「ウィンブルドンに連れて行って」を披露し、ファンからは特大の「れなちゃん」コールが送られる。同期とはまた違った絆で活動をともにしてきた3人。みな選抜メンバーとしてSKE48を支え続けたメンバーでもあったことから、それぞれへの思いも格段のものだったのではないだろうか。MCをはさんだ11曲目にはなんとAKB48に移籍した木崎ゆりあが登場。「玲奈ちゃんの卒業を見送りたくて来ちゃいました」と自身が初選抜を果たした「ごめんね、SUMMER」を松井玲奈、松井珠理奈、高柳明音、石田安奈というオリジナルメンバーを含む7人で披露した。  14曲目の「ピノキオ軍」では、松井玲奈が急に倒れ込む。すると同曲のレッスンで松井玲奈を倒れるほど追いつめた(?)ことで有名な振付師の牧野アンナが登場。松井玲奈とSKE48メンバーに喝を注入する演出で会場を盛り上げた。

神宮球場の乃木坂46との中継

 直後のMCでは、留学生として在籍していた乃木坂46のメンバーからビデオメッセージが届く。しかし、これビデオメッセージではなく、乃木坂46が同日にコンサートを行っていた神宮球場からの中継であることが判明。さらには乃木坂46で着た衣装をプレゼントされ、松井玲奈も「聞いていたことと違う。本当のサプライズだらけ」と驚きを隠せない様子だった。

雨のピアニストを1期生で披露

 この後も松井玲奈を中心としたステージは続き「なんて銀河は明るいのだろう」「青春の水しぶき」「僕の太陽」「君のことが好きだから」「バナナ革命」「雨のピアニスト」と自身が参加した思い出深い楽曲を6曲連続で披露。会場は松井玲奈のサイリウムカラーである緑一色に染まった。  6曲のなかでも「青春の水しぶき」では親友の高柳明音と初めてふたりだけでステージに立つという念願を達成。仲睦まじく手をつなぐ姿や仲良くふたり抱き合う姿が印象的だった。また、「君のことが好きだから」では会場の盛り上がりも最高潮。ファンから大きな「大好き」コールも巻き起こる。玲奈メドレーともいえるこの流れの最後では、「雨のピアニスト」を同期メンバーの松井珠理奈、大矢真那と披露。

「枯葉のステーション」を歌う松井玲奈

 24曲目には松井玲奈のソロ曲「枯葉のステーション」もあり、白のサイリウムが会場を彩っていく。その幻想的な光景は、彼女のキャッチフレーズにもあるかすみ草の花をイメージさせるものだった。

メンバーへの手紙を読み上げる松井玲奈

 30曲目「手紙のこと」では大矢真那と松井珠理奈から松井玲奈に手紙のプレゼントが。松井珠理奈は泣きながら「いままで素直になれなかったけど玲奈ちゃんのことが大好きです」と思いを伝え、会場からは拍手が起こった。曲終わりには、逆に松井玲奈からメンバーへの手紙も。「これからのSKEを作っていくのはみんなです。みんながSKEのセンターです。一生懸命がむしゃらになった後に見える景色は本当に素敵なものです。見えますか? みんなと一緒にこの景色を見ていることが私はとっても素敵です。とっても嬉しいです。私の大好きなSKEをこれからもよろしくお願いします」と伝え、さらに大きな拍手が会場から巻き起こった。

「仲間の歌」で寄り添い合うメンバーたち

 本編最後の曲は「仲間の歌」。歌唱中、松井玲奈が「オレンジの景色が見たいんだ」とファンに向けて思いを伝え、応えるように会場はSKE48のカラーであるオレンジ色に染まっていった。

「2588日」を歌う松井玲奈

 アンコール1曲目では自身最初で最後となる単独センターシングルの曲である「前のめり」を披露する。松井玲奈の表情は終止笑顔で、涙を流すメンバーもいるなか彼女は7年間ステージ場で貫いてきた全力で笑顔を絶やさないという姿勢を崩すことはなかった。しかし、曲後に彼女の軌跡を振り返る映像が流れだすと、松井玲奈の卒業を意識しだしたのか会場の空気が一気に張りつめていく。その空気のなか、松井玲奈がひとりドレスに身を包み登場。「今日のコンサートを見て、これからもSKE48を応援したいなと思ってくれたら嬉しいです。ここで経験したことは、これからの活動だったり、私の人生においてかけがえのないものだと思います。それを作ってくださった、支えてくださったみなさん、本当にありがとうございます」と涙ぐみながら言葉を絞り出した。思いを伝えた後には、卒業ソングとして送られたソロ曲「2588日」を披露。歌う彼女の後ろに徐々にメンバーが集まり、最後のときを見守る。歌が終わり「SKE48は私にとっての青春です。みなさん、また会いましょう」と笑顔で去っていった松井玲奈。45000人が詰めかけ、SKE48最大規模で行われた卒業コンサートの主役のステージはここで区切りをつけた。その後、松井玲奈を除くメンバーで「アイシテラブル」「手をつなぎながら」を披露し、盛況のもとにコンサートは幕を閉じた。最後の曲中にはそれまでもっていた天気も崩れだし、松井玲奈の卒業を悲しむ涙雨のようにも感じられた。  最後までグループのことを考え、自身の卒業コンサートでも後輩たちに見せ場を作ろうとした松井玲奈。卒業し、自身の道を進むことになるがこれからもSKE48を見守り、影ながら支えていってくれるだろう。そして、彼女自身が個人としてこれから大輪の花を咲かせることを期待したい。 ⇒【写真】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=926475 ●30日のセットリスト Overture 1、強き者よ 2、賛成カワイイ! 3、12月のカンガルー 4、初恋の踏切 5、恋を語る詩人になれなくて… MC 6、Dear my teacher 7、DADAマシンガン 8、青春カレーライス 9、消せない炎 10、ウィンブルドンへ連れて行って MC 11、ごめんね、SUMMER 12、青空片想い 13、制服を着た名探偵 14、ピノキオ軍 15、チャイムはLOVE SONG MC 16、なんて銀河は明るいのだろう 17、青春の水しぶき 18、僕の太陽 19、君のことが好きだから 20、バナナ革命 21、雨のピアニスト MC 22、美しい稲妻 23、Escape MC 24、枯葉のステーション 25、未来とは? 26、1!2!3!4!ヨロシク! 27、オキドキ 28、コケティッシュ渋滞中 29、パレオはエメラルド 30、手紙のこと MC 32、仲間の歌 アンコール EN1、前のめり 映像+MC EN2、2588 MC EN3、アイシテラブル! EN4、手をつなぎながら 〈取材・文/ヤスオ 写真提供/AKS〉
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