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中央線の超過密ダイヤが遅延と人身事故を誘発している!?

 都心の主要路線の中でダイヤの乱れが特に目立つ中央線。日頃、中野駅を利用する記者も人身事故による運転中止に遭遇し、足止めを食らった経験がある。 中央線の超過密ダイヤが遅延と人身事故を誘発している!?「いつ動くんですか? 今の状況は?」と駅員に詰め寄る乗客に「わかりません」を繰り返すだけの駅員。周囲に目をやれば、暴れる乗客に備えてのことだろうか、警察官数人が警備についている。何とも物々しい光景だが、同じような事態を目にした人は少なくないはず。こうしたトラブルが後を絶たないのはなぜだろう? 鉄道専門誌に寄稿するライターが解説する。 「前提としてダイヤの過密化がありますが、それに輪をかけて、例えば副都心線のように複数の路線が相乗りすることでダイヤが一層複雑化したのが原因です。また在来線と特急列車が同じ路線を走るようなことも一因。各路線のちょっとしたトラブルが絡み合った結果として大きな遅延につながります」  だが、中央線に関していえば、我々がこうむるリスクは遅延だけにとどまらないという。 「人身事故が多いことが昔から指摘されますが、その理由の一つは過密ダイヤのせい。自殺者がいる一方で、誤って線路に転落する人も少なくありません。しかし転落した人を助けようにもひっきりなしに到着する電車のためにその時間的猶予ほぼないのです」  であるなら、山手線のようにホームドアを設置すれば、リスクは回避できるのではないか? 「確かに対応策として有効ですが、中央線の場合、ドアの位置が中央線と異なる特急列車も走っているため設置が難しい。もし設置をするのであれば、それに合わせて中央線と同じ規格の新型車両の特急電車を導入せねばならず、現実的でないと言わざるを得ません」  遅延という慢性的な病に加え、人身事故に巻き込まれるリスクも高い中央線だが、何かしらの改善策はないのだろうか? 「高円寺・阿佐ヶ谷・西荻窪のいわゆる“杉並3駅”を快速は通過すればいい。そうすれば総武線各駅停車に乗客が流れ、混雑が緩和されて運行本数も削減できます」  ただ、それを実現するのは簡単なことではないという。 「快速から各駅停車に乗り換える乗客が増えるので、中野駅の改築が不可欠。同一ホームで乗り換えできるのが理想ですが、そのためには運行を止める大工事が必要。莫大なコストもそうですが、中野駅は地下鉄東西線が乗り入れているので、さらに事情が複雑。実現のハードルは低くありません」  新しい商業施設ばかりでなくこちらの対策にも期待したいものだ。 取材・文/SPA!鉄道の今、取材班
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