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アパレル関係者が驚愕「ユニクロ アンド ルメール」のシャツを買え!

 メンズファッションバイヤー&ブロガーのMBです。洋服の買いつけの傍ら、「男のおしゃれ」についても執筆しています。連載第45回目をよろしくお願いします。
メンズファッションバイヤーのMB氏

メンズファッションバイヤーのMB氏。「『オシャレに見える』にはちゃんと理由があるんです」が持論(撮影/難波雄史)

 10月2日ついに発売した「ユニクロ アンド ルメール」。エルメスの元デザイナーで世界トップクラスの「クリストフ・ルメール」と、世界最高峰のコストパフォーマンスを誇る「ユニクロ」がコラボした歴史的な1日。発売当日、販売店舗はどこも大行列ができていたようで一部店舗では入場制限をかけるほどに。ええ、信じられないでしょうけどこれユニクロの話ですからね。  私の周りのアパレル業界関係者もここ数日は挨拶の代わりに「何買った?」「ああやっぱアレは買っておくよね」「俺5枚買った(笑)」なんて会話が飛び交っています。  普段熱心におしゃれを追いかけている人にとっては、このコラボがいかに凄まじいものか、そして強烈なコスパを誇るものかということは想像に難くありません。しかし、ファッションにそこまで興味がなければ「ルメール? はて?」といったところでしょう。私が取材したユニクロの店舗に来店していたおばさまも「ああ! これラメールね!」と叫んでいました(まるでラブホテルの店名のようです)。 「お得なのはわかったから! 何を買えばいいの!?」という疑問に今回はお答えします。私が配信しているメールマガジン「現役メンズバイヤーが伝える洋服の着こなし&コーディネート診断」では多数のマストバイアイテムの着こなし方法の解説などをしているのですが……本記事では1点だけマストバイを紹介しましょう! ▼シルエットに究極的にこだわった秀逸シャツ ●レギュラーカラーシャツ(長袖) 3990円+税
レギュラーカラーシャツ(長袖)

「初日は店舗からあっという間になくなりました」

 業界関係者で「ルメールコラボ」を狙っていた人は200%コレを購入しています(文字どおり複数買いしているので、200%です)。しのごの言わずに試着すれば誰もが納得する形。ジャストサイズで着用すればその美しさにまず驚くでしょう。  洋服の形の肝は「先端部分」にあります。シャツならば首まわり・袖先・裾の三か所。まずシャツを選ぶ際には「この三か所がダボダボしていないこと」が重要です。もちろんダボついたシャツをあえて着こなす「ワザ」もありますが、誰が見ても何を合わせてもサマになるのは、この三か所がスッキリ見えることです。  袖が長すぎたり、幅が広すぎたりすると、袖先が「オバQのハカセ」のようにダボダボと見苦しくなります。すると、子供っぽいルーズな印象になるので30代以上の大人はとくに注意が必要です。  裾が長すぎるのも危険です。「ロングシャツ」というアイテムもありますが、おしゃれ初心者を自任するのであれば避けましょう。女の子が裾の長いシャツを着ていると、「下は? はいてないの?」とドキドキしますが、男の場合はだらしなさが前面にでます。  首まわりは、例えば襟がやけに大きく与沢翼さんみたいになっていたりすると、セレブ感が出るので、六本木ヒルズにとくに住む予定がなければやめておいたほうが無難でしょう。  ルメールのシャツはシルエットを決定づける三か所をすべてクリアした見事なバランスです。袖は日本人の体型にジャストサイズ、裾も長すぎず短すぎず、襟も小さめと完璧です。 ▼縫い目がすべて隠れた「ミニマル」仕様  また驚くべきはデザインです。このシャツの実物をよく見てください。「すごくキレイでかっこいいけど、何が要因なんだろう?」と思うことでしょう。その一つが「縫い糸」です。よくよく見ると、実はこのシャツ、外からは縫い糸がほとんど見えない仕様になっているのです。手持ちのシャツと比べてみてください。普通シャツは襟の端っこに縫い糸が見えます。ボタンの脇にも縫い糸は存在します。袖の縫い合わせた部分も、袖先にも。縫い糸は至るところで見えるようになっています。  しかしこのシャツはほぼすべての縫い糸を巧みに隠しています。襟はもちろん袖や身頃の縫い合わせの部分まで全てです。前立てはボタンまでを隠してしまっており、「究極のシンプル服」をつくり上げています。 ⇒【写真】はコチラ nikkan-spa.jp/?attachment_id=953751

ユニクロ アンド ルメールユニクロ アンド ルメール

 礼服などを想像すると理解しやすいのですが、「大人っぽさ」を象徴するドレスは「シンプル」がキーワード。逆に「少年っぽさ」を象徴するカジュアルは「デコラティブ(装飾的)」がキーワードです。覚えていただきたいのですが、「洋服は基本的に、シンプルであればあるほど大人びた印象」に見えます。このシャツは究極的に大人っぽく落ち着いた印象に仕上げてあります。縫い糸もボタンすらも隠し、まるで「一枚の布」のようにシャツをつくっているのです。ミニマル(最小限)こそ、クリストフ・ルメールならではのデザインなのです。  このシャツ、おそらくユニクロ側も需要の多さを予測していて、まだまだオンラインストアでも在庫があるようです。ほかのブランドがつくったら絶対に3990円では買えません(1万円以上になるでしょう)。秋冬スタイルの名脇役となる白シャツ。完売前にぜひチェックしてみてはどうでしょうか。 <文/MB>
MB
ファッションバイヤー。最新刊『MBの偏愛ブランド図鑑』のほか、『最速でおしゃれに見せる方法 <実践編>』『最速でおしゃれに見せる方法』『幸服論――人生は服で簡単に変えられる』など関連書籍が累計200万部を突破。ブログ「Knower Mag現役メンズバイヤーが伝えるオシャレになる方法」、ユーチューブ「MBチャンネル」も話題に。年間の被服費は1000万円超! (Twitterアカウント:@MBKnowerMag

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