2016年、F1マクラーレン・ホンダが浮上するためには何が必要なのか?

鈴鹿F1日本GPでの“惨敗”でわかった「マクラーレン・ホンダ浮上のカギ!」 大変よく抜かれました! アロンソ3回! バトン4回(うち1回は左右から2人同時に)!

 F1復帰後初の母国鈴鹿F1日本GPを迎えたマクラーレン・ホンダ。スタートの混乱で2人とも順位を上げたが、その後はトロロッソ勢(ルノー製パワーユニット)、ザウバー勢(フェラーリ製パワーユニット)、フォースインディア(メルセデス製パワーユニット)、レッドブル(ルノー製パワーユニット)に、ストレートでなす術なく次々と抜かれていった。

 結果は、ともにトップから1周遅れのアロンソ11位、バトン16位完走。入賞(10位以内)にも手が届かない惨敗だった!

鈴鹿F1日本GPでの“惨敗”でわかった「マクラーレン・ホンダ浮上のカギ!」

決勝スタート前のグリッドでパシャリ。このときフェルナンド・アロンソはトイレに行っていて不在。左から新井康久ホンダF1総責任者、ジェンソン・バトン、八郷隆弘ホンダ社長、マクラーレングループCEOのロン・デニス

 しかも中継映像がトップ集団をほとんど映さず、中団グループの争いを映し続けたものだから、アロンソとバトンの抜かれるシーンはもれなく全世界に流れた。

 さらに、レース中に「これじゃGP2(下位カテゴリー)エンジンだ!」とブチ切れたアロンソの無線が中継に乗り、レース後のバトンは、海外メディアのインタビューに「僕らはまるで鎧と刀を持たないサムライ戦士だ」と不満を漏らした。

 車体性能、パワーユニット性能、ドライバーの腕、チーム力、すべてが問われる世界有数の難コースである鈴鹿サーキットで残酷なまでに浮き彫りになったマクラーレン・ホンダの実力。特にホンダは地元でのF1復帰レースで、これ以上ない屈辱と悔しさを味わった。

鈴鹿F1日本GPでの“惨敗”でわかった「マクラーレン・ホンダ浮上のカギ!」

「GP2 Engine! GP2! AAARGH!」。アロンソの魂の叫び(?)が全世界に流れた!

 ホンダの新井康久総責任者は「アロンソのGP2発言は叱咤激励だと受け止めている。我々の弱点はわかっているが、一気に改善することは難しい。少しずつ進歩させ、来年こそ期待に応えたい」と雪辱を誓った。

 来年の鈴鹿では逆に抜きまくるしかない! 日本メディアで2人しかいない全戦取材F1ジャーナリストの尾張正博、米家峰起両氏の解説をもとに、来年ホンダが大躍進するための特効薬を考えてみた!

【現状】今年の車体は完全な失敗作!

「氷の上を走っているみたいだ」。アロンソは無線でこうも訴えていた。ホンダだけが悪者にされているが、車体にも疑問符が付く。

「他チームの複数のエンジニアに聞くと、マクラーレンは車体も全然よくないと口を揃えます。車体性能は10チーム中6番目か7番目くらいの評価」(尾張正博氏)

鈴鹿F1日本GPでの“惨敗”でわかった「マクラーレン・ホンダ浮上のカギ!」 レッドブルの空力責任者をヘッドハンティングしたマクラーレンは、今季から空力至上主義のレッドブル型コンセプトを採用した。

「パワーユニットの時代になり、空力至上主義はもう古い。今は空力を多少犠牲にしてでも、いかにパワーユニットを生かすかがトレンド。逆にマクラーレンはパワーユニットのほうが犠牲になっている。狭い空間に押し込めるためにコンパクトにせざるを得ず、レイアウトの自由度も制限された。しかも車体にもオリジナル性がなく、他チームをコピーしたノーズやフロントウイングを次々と投入してもパフォーマンスに結びついていない。今年の車体は完全な失敗作!」(同)

鈴鹿F1日本GPでの“惨敗”でわかった「マクラーレン・ホンダ浮上のカギ!」 しかし、マクラーレンは来年も今季型コンセプトを継承するという。

「どのチームにも方向性を示し、まとめ上げる技術部門のトップがいる。マクラーレンは個々には優秀な人がいますが、その親分がいない。ここ3年で1度しか表彰台に上っていないことからもわかるように、早く組織改革しないと長く低迷することになってしまう」(同)

 マクラーレンはホンダに優秀なエンジニアを引き抜けと言っているが、マクラーレンも技術部門のトップになれる人材を引き抜け!

<来年に向けての特効薬>
技術部門の親分になる人を引き抜け!


取材・文/コンコルド足立 写真/Honda McLaren MOBILTYLAND

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