鬼怒川水害と東日本大震災の津波の共通性とは?

― 木村和久の「オヤ充のススメ」その89 ―


 鬼怒川水害から1か月以上がすぎたわけですが、堤防決壊で水が襲ってくる怖さを、まざまざと見せつけられ、非常に心が痛みました。被害にあった常総市は、ゴルフに行く途中、頻繁に通っている場所です。周辺は見渡す限りの田園地帯で、高低差のほとんどないエリアが、被害を拡大させてしまったように思います。いったん水が押し寄せてくると、果てしなく水が流れる、それは実に恐ろしいものです。

鬼怒川水害と東日本大震災の津波の共通性とは? 実は東日本大震災の津波でも同じようなことが起こり、被害を拡大させています。今回はこのふたつの災害の共通性から今後の復旧作業がいかに大事かを述べてみます。

 私の故郷は宮城県石巻市です。街の中心には北上川という大きな川が流れています。津波は当然ながら押し寄せたのですが、実は津波の第一波が襲って、しばらくしてから、じわじわと水が押し寄せ、水量が増したのです。簡単に言うと、北上川を津波が逆流して、川から溢れた水が街に流れ込んで来る。実家もこのじわじわ水量が増す津波にやられました。伯父さんは、最初の津波警報の時に、山に逃げたのですが、なぜか忘れ物をしたと言って家に戻り、その時、津波に襲われます。じわじわ水量が増す津波に、平屋の家屋ゆえ押入れに逃げましたが、間に合いません。仕方がないので、押入れのさらに上にある天袋に身を隠して、一夜を過ごしたそうです。恐らくあと数十センチ、水量が増したらアウトだったでしょう。

 一方、伯父さんの家の近所で亡くなった方もいいます。しかも2階建ての家での出来事です。その方は水がどれぐらい来たか見るために1階に降り、その時水に巻き込まれたようです。3月の石巻の水温は冷たいです。高齢だったので、全身濡れたら、寒さで5分ともたないでしょう。

 そんなわけで、じわじわと水が押し寄せる、津波や水害は、わりと身近なものといえます。鬼怒川が決壊するなら、荒川だって決壊するかも知れません。近年の地球温暖化に伴う異常気象は、予想外の集中豪雨をもたらします。今回の決壊も、たまたま鬼怒川水系だっただけのことで、ちょっとずれたら荒川水系がやられたかも知れません。荒川のスーパー堤防が決壊したらどうなるかのシミュレーションは、結構してあり、銀座あたりで腰の高さぐらい増水するといわれてます。

 一番やばいのは地下鉄でしょう。防水対策をしてるとはいえ、どの隙間から水が入ってくるか分かりません。都内で水害が起きたら、近辺の地下鉄は乗らない方がいいと思います。あと通信網ですね。携帯電話関連の電波が途切れることは無いと思いますが、回線がパンクして、繋がらない可能性は大です。東日本大震災でも、電話回線の繋がらなさは、体験済みでしょう。

 備えはどうすべきか? まず携帯電話、スマホは理想で言えば、防水、防滴型がいいでしょう。対策が施されてないと、水没した瞬間アウトです。最近は予備に1台持ってる人もいるし、格安スマホも出回ってます。セカンド携帯は、是非、防水、防滴型ですね。

 そして連絡方法として結構役に立ったのが、ツイッターなどのSNSです。テキストレベルなら情報量が少ないので、混戦することが少なかったがゆえに通じやすかったのでしょう。

 備えはよしとして、直面しているのは、鬼怒川決壊の復旧作業です。堤防は応急処置でなんとかなりましたが、水没した民家が問題です。東日本大震災の時は、約2m水に浸かると、全壊扱いでした。そこで自治体などからお見舞いや補償金が出ました。けど家一戸分のお金は貰えません。だから二重ローンに苦しむ場合もあるでしょう。さらにガレキの処理に、仮設住宅を作るのか分かりませんが、住環境の整備、当然ながらインフラ、農作物への保証など、やることはいっぱいあります。

 水害や津波は、忘れた頃が一番大事な復旧時期といえます。東日本大震災の復興事業は、4年過ぎても、まだ道のりの半ばです。多くの街は、まだ更地のままですからね。

木村和久

木村和久

■木村和久(きむらかずひさ)■
トレンドを読み解くコラムニストとして数々のベストセラーを上梓。ゴルフやキャバクラにも通じる、大人の遊び人。現在は日本株を中心としたデイトレードにも挑戦

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