ドMであってドSでもある!

 前回ちょこっと触れたけど、安易な二元論としてもうひとつ私が気にくわないのがドS・ドMの種分けである。

ドエス? ドエム? どっち?

 こう訊ねられて、どちらかを選択し、さらっと答える人がいる。

 それって、おかしいんじゃないか?

 そもそも100%サド、100%マゾなんて人間は、心療内科的な見地からしても完璧な精神異常者、平たく言えば気狂いだ。

ドエス? ドエム? どっち?

 こう訊ねられて、たとえばドS30%・ドM70%と答える人がいる。

 健常な人間なら必ずサドとマゾ、両方の資質を兼ね備えているという点を踏まえているぶん、リアクションとしては悪くない。ただ、数字に間違いがある。

 ドSとドMのパーセンテージを足して100%にするのではない。サド気質を70%持つ人間はマゾ気質も70%秘めている、サド30%ならマゾも30%、5%なら5%……つまり、サドっ気の強い人間はマゾっ気も同じだけ強く、弱ければ同じだけ弱い。スポットをあてるべきなのは、どちらに属するかじゃなく、S−M間の振り幅の大小なのだ。

 私はこれをSM振り子の法則と名付け、スキあらば、あらゆるメディアで提唱し続けてきた。

ドエス・ドエムの「ド」に、どれくらいの%をイメージする?

 こう訊ねるのが正しいのである。

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麗羅[集英社BJコミックより全1~7巻/画:三山のぼる・作:山田ゴメス]
私は、過去にSMを題材とした漫画の原作を手掛けたことがある。だから、SMに関しては一応造詣が深い。

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本文とはまったく関係ないが、6月23日発売予定の女性美容雑誌『VOCE』8月号で、コラムニストのLiLyさん(http://lilylilylily.jugem.jp/)と初めてコラボめいた仕事をやります。振り子の振り幅が大きそうな、魅力的な方でした!

PROFILE

山田ゴメス
山田ゴメス
1962年大阪府生まれ。マルチライター。エロからファッション、音楽&美術評論まで幅広く精通。西紋啓詞名義でイラストレーターとしても活躍。著書に『「若い人と話が合わない」と思ったら読む本』(日本実業出版社)など
『「若い人と話が合わない」と思ったら読む本』(日本実業出版社)
『「若い人と話が合わない」と思ったら読む本』(日本実業出版社)
OL、学生、フリーター、キャバ嬢……1000人以上のナマの声からあぶり出された、オヤジらしく「モテる」話し方のマナーとコツを教えます

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