ヒットが打てるおまじない

 きのう、
同じ草野球チームに所属する
甲子園出場経験有りの若手部員から、

バッターボックスに入ったとき、

(ピッチャーが足を)
あげた!

(足を)
さげた!

(ヒット性のあたりが)
イッた!

と、ピッチャーのモーションに合わせて
口にしながらスイングすると、
タイミングが取りやすいですよ

と、教えてもらった。

 野球に行ったら、かならず最低限なにかひとつだけ
学んで帰ろうと心に決めている私は、
(複数のアドバイスをもらっても、2つめ以降はあえて受け入れない。年齢的に、どっちも身につけられなくなる可能性が高いからだ)
とりあえず彼に言われたとおりのことを、自分の打席で試してみた。

 すると、最近、湿りがちだった私のバットだが、
そして、この日も結果はピーゴロショートフライ
に終わってしまったのだが、
これまでとは明らかに違う当たりの

ファール

を連発することができたのである。

 こいつはいいや!

と、さっそく道を歩いているときも、一歩一歩を踏み出しながら

あげた・さげた・イッた・あげた・さげた・イッた……

とつぶやきつつ、イメージトレーニングを繰り返しているのだが、

つぶやいているうちに、いつの間にか

どうも、そこで思い浮かべるべきピッチャーの投球フォーム

(ブラウスを)
あげた!

(パンティを)
さげた!

(入れたら)
イッた!

と、エッチなイメージにすり替わってしまうのだ。

 股間のバットがフルスイング!

ってやつだ。

 まだまだ一野球人として、

修行が足りない!

 そうおのれを恥じる私であった。

 よくよく思い返してみると、最後は

「イッた!」じゃなくて、

(ボールが)「来た!」だったし……。

PROFILE

山田ゴメス
山田ゴメス
1962年大阪府生まれ。マルチライター。エロからファッション、音楽&美術評論まで幅広く精通。西紋啓詞名義でイラストレーターとしても活躍。著書に『「若い人と話が合わない」と思ったら読む本』(日本実業出版社)など
『「若い人と話が合わない」と思ったら読む本』(日本実業出版社)
『「若い人と話が合わない」と思ったら読む本』(日本実業出版社)
OL、学生、フリーター、キャバ嬢……1000人以上のナマの声からあぶり出された、オヤジらしく「モテる」話し方のマナーとコツを教えます

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