第125回

03年7月10日「こんなところに押井守最新作が」

・こないだ東急文化会館の閉館イベントで渋谷の1/1000精密模型を見たという話を書いたら「それなら東京全域のものが完成している」という情報を頂いた。早速見に行こう。六本木ヒルズ森タワー52階・53階で行われている「世界都市展」(9月21日まで)。

・東京の山手線エリア全域が、道路、建物も含め全てそのまま、写真リアリティーで立体モデル化されている。念のため言っとくがこれはCGじゃなくて現実の模型。

・他にロンドン、パリ、上海、ニューヨークなど主要都市のミニチュアがずらりと並ぶ。また『東京シアター』というコーナーでは、フルハイビジョンで撮影された東京の空撮映像を、巨大スクリーンで上映していた。これが意識を持った巨大ロボットの視覚、といった感じの映像で、鳥肌が立つほどかっこよかった。なんと押井守氏の監修によるものらしい。

03年7月14日「業界人って……(その22)」

・あるゲームメーカーで新しい仕事の担当者を紹介されたので「初めまして」と頭を下げたら相手から「あなた、前に会ったことあるじゃないか」と言われた。それが本当にもう失礼な人だなあ! という感じの非難口調だったので恐縮し、出しかけた名刺をあわてて引っ込めた。ところがその方はミーティングが終わりかけた頃「ああ、やっぱり初対面だよ、あなたのことはテレビで見たんだった」と、こちらの鼻先に名刺を突きつけてきたのだ。

03年7月22日「ネットでやりたいことない?」

・デジタルコンテンツ協会が公募している「ブロードバンドコンテンツのブレークスルー技術等開発支援事業」(http://www.dcaj.org/kouboix/)に注目。デジタルコンテンツ回りの、特にブロードバンド関連の新規事業について、政府から補助金がもらえる可能性がある。

・簡単に言うと、ブロードバンドを使って何か新しいことをはじめようとしている会社向けの補助金だ。例えば1千万の予算で具体的にチャレンジングなことをやろうとしているのなら、この仕組みを活用すればその1千万が2千万になるのである。

・若いソフトハウス経営者は、特に注目である。最近は大手のメーカーやキャリアも新しい事業についてなかなか予算を出さなくなっているし。こういう機会を活かしてほしい。締め切り(8月8日)まであまり間がないので、急いで。

2005.09.16 |  第121回~

PROFILE

渡辺浩弐
渡辺浩弐
作家。小説のほかマンガ、アニメ、ゲームの原作を手がける。著作に『アンドロメディア』『プラトニックチェーン』『iKILL(ィキル)』等。ゲーム制作会社GTV代表取締役。早稲田大学講師。