第287回

11月16日「ひきこもりの部屋から」

・ゲームラボ『三十才のハローワーク』のひきこもりブログ(www.hikikomo.com)に、例のひきこもり作家・梟氏の新作『鉄の本』がアップされてる。短編好きな人、読んでみて面白かったら応援してください。

11月17日「CMでお祭り」

・「世界のCMフェスティバル2006」。映画館(新宿ミラノ座)でオールナイトで、世界各国のコマーシャルフィルムを一挙に500本観せるという企画。

・毎年参加しているのだが、昨年までと違い今回は有名作品の多くを既にユーチューブで見てしまっていることに気付いた。しかしながら大スクリーンの環境、そして15秒おきに一晩中大喝采が鳴り色とりどりの風船が舞うお祭り空間の価値は下がることはない。ぜひ続けて頂きたいイベントである。

・次の時代、情報としての映像をプルできるオンライン端末と、環境としての映像をプッシュしてくれる映画館が浮上するだろう。テレビはどうなるのだろう。

11月25日「Wiiやってきた」

・「ニンテンドー・ワールド2006」。絶好調のDSと、そして新ハードWiiの体験イベントである。試遊台をずらりと並べたそっけない空間。配布物は入場時のみ渡し、ステージも控えめ。だが、それがいい。

・個々のゲームソフトを実際にプレイしてもらうことに撤しているのだ。来場者はタイトルごとの待ち時間を確認しながら並び、担当係員の丁寧な説明を受けつつ規定時間遊ぶわけだ。ものすごい人手だったにも関わらず、目当てのゲームを効率よく回ってしっかりと遊ぶことができた。東京ゲームショウは「お祭り」としての盛り上がりに反比例してゲームを落ち着いて遊ぶことが困難になっている。それはそれで良いと思うが、各地方ごとにできるだけ多くの人が実際にプレイして購入ソフトを選べるこういう場は有り難い。

・初期タイトルはリモコンとセットの『はじめてのWiiパック』それからキラータイトル『ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス』は言わずもがなだが、操作の新しさを堪能できる『Wiiスポーツ』も買いだ。リモコンから音が鳴り、振動するのは衝撃的。以降のものとして万人に勧められるのは『マリオパーテイー8(仮称)』。未経験者でもいきなりハマれて、すごく盛り上がれる。ライバル機との比較考察などは、次回に。

2006.11.28 |  第281回~

PROFILE

渡辺浩弐
渡辺浩弐
作家。小説のほかマンガ、アニメ、ゲームの原作を手がける。著作に『アンドロメディア』『プラトニックチェーン』『iKILL(ィキル)』等。ゲーム制作会社GTV代表取締役。早稲田大学講師。