第422回

7月8日「京都にて」

ニコニコチャンネルGTVが正式オープンしたこともあり、ゲーム業界を回っている。今日は京都、任天堂へ。広報担当の方々と、ネット上でゲームの魅力を伝えていくことについての話をいろいろ。歴史があるからか、余裕があるからか、それとも東京の喧噪と距離があるからか、この会社では長期展望の話をしてもらえることが多い。

・23年前、ビデオマガジンでゲーム情報を出していく企画のためここに来た時のことを思い出す。あの時も、今日と同じように、多メディアを使ってゲーム情報を充実させていく方法や、ゲーム評論という仕事の難しさについて話していた。その席に宮本さんもいたのである。

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7月9日「最先端で横を見る」

・中野ブロードウェイのKカフェに。クリエーターのたまり場として、そして「ニコニコチャンネルGTV」の発信拠点としても、使っている場所だ。

・ゲーム業界の人にも活用してもらおうと思い、最前線の方々を今積極的にお招きしている。今日はサイバーフロント、フロム・ソフトウェア、エレクトロニック・アーツ、アクワイアなど各メーカーさんからご担当の方々、ご来店。みなさん、ニコニコ動画をどう使っていくか、同じように頭を悩ませておられる。ゲームプロモーションの現状などを伺いつつ、生放送も含めていろいろな形での情報発信を始めた現状の手応えなど、話す。

・最近、メーカーの現場スタッフの横のつながりが少なくなっているという話も聞いた。ゲーム業界がシステマチックになり、たいていのことを代理店に任せてしまえるようになったからだろうか。しかし新しいことについては内部の人間が考えた方がいい。このカフェを情報交換の場所として使ってもらうのもいいかも。

7月10日「映画を遊ぶゲームを観る」

・「ニコニコチャンネルGTV」でのゲーム実況。『Wanted: Weapons of Fate』を、おなじみジャンクハンター吉田さんとプロゲーマー大谷名人、そして日本版プロデューサーの本間覚さんの3人でプレイしてもらった。映画版『Wanted』の直後からスタートするストーリー。映画観た人なら必プレイ。そして、ゲームやってると絶対映画をもう一度観たくなる。

・こういうゲームは動画を実況で見せるのが一番ですね。2時間の放送の間に本間さんの人気が急上昇していく様子も、面白かったです。制作者の意気に感じてゲームを買う、というようなことも、あると思います。

PROFILE

渡辺浩弐
渡辺浩弐
作家。小説のほかマンガ、アニメ、ゲームの原作を手がける。著作に『アンドロメディア』『プラトニックチェーン』『iKILL(ィキル)』等。ゲーム制作会社GTV代表取締役。早稲田大学講師。