国立の歴博が、入場料収入をアップさせる秘訣(4)――第5代館長・宮地正人氏の存在

『日本近現代史を読む』の宮地正人氏執筆による一文


歴博の展示内容にみられるバイアス(偏り)とは

 
 この連載で紹介してきたように、歴博の展示内容のいくつかには、ある種のバイアス(偏り)がかかっている。連載第1回の冒頭で、「歴博の展示には、そうした提言のレベルを超えた、何か構造的な問題が内在しているように思える」と記したが、このバイアスこそが、歴博の構造的問題の原因なのではないだろうか。

 なぜ歴博の展示内容にバイアスがかかっているのか。それを突き詰めていくと、平成13(2001)年9月に歴博の第5代館長(平成13年9月~平成17年8月)に就任した宮地正人(1944~)氏にたどり着くように思われる。宮地氏は、東京大学史料編纂所の教授や所長を歴任した後に歴博館長を務め、また日本共産党に連なる歴史学者として代表的な人物である。

 宮地氏は、自ら共産党シンパ(同調者、信奉者)であることを隠さない。共産党の日刊機関紙である「赤旗」に次のような一文を寄せている。

「21世紀の核の脅威と恐怖のない東アジアの非核平和の実現に向け、憲法改悪に正面からたたかっている日本共産党の大きな前進を心から期待している」(平成25年6月23日)

 東アジアの非核平和を言うならば、中国の核保有量が世界第4位であること、さらに北朝鮮の核保有を咎めればよいものを、それには一切触れないという左派系学者にありがちな論理構成だ。

 また、宮地氏監修による『日本近現代史を読む』(新日本出版社、平成22年1月発行)は、共産党の推薦図書として増刷を重ねているが、その内容には疑問を感じる。宮地氏が自ら筆を執った「刊行にあたって」という文章を読んでみよう(上の画像参照)。

「日清戦争以降の日本の植民地主義と帝国主義的侵略の事実を明らかにすること。(中略)東アジア諸国との間での友好関係をつくっていくため、どうしてもしなければならない歴史研究者の責任でもあります」

マルクス主義史観という色眼鏡


 非常に思い込みの強い文章である。わが国を含め、近現代史における世界の戦争が、侵略か否かは学問的に掘り下げて行かなければならない課題であることは論を俟(ま)たない。日本の満州事変以降に関しては、当時の国際法違反の要素があり別途、議論をするとして、日清戦争以降という日清・日露戦争をも侵略戦争と位置付けるのは、歴史学界でも異論ある人が少なくないのではないだろうか。

 また、宮地氏は、歴史記述の視点を次のように明かす。

「当然のことですが、男女人民の政治的、社会的、文化的な進歩と前進のたたかいを権力・支配階級との対抗の中でとらえていくこと」

 これは、戦後の一時期に流行した発展段階説と階級闘争史観、つまりマルクス主義史観と呼ばれるもので、人々に革命意識を持たすために、人民は常に「権力・支配階級」と対抗してきたという視点で歴史的事象を分析・解釈する歴史観である。

 これに対して、マルクス主義史観では歴史の事実を解明できないと考えた歴史学者たちは、実証主義を重視するようになり、バイアスという色眼鏡(思い込みのフィルターともいえる)を排して一次史料の発掘と読解を中心に事実を事実として見つめ、その蓄積を通して歴史を論じていった。

 わが国の近現代史にあって、その実証主義研究の草分け的人物の一人が伊藤隆(1932~)氏(東京大学名誉教授)であり、著書『歴史と私――史料と歩んだ歴史家の回想』(中公新書、平成27年4月)を読むと、当時の歴史学界の状況やマルクス主義史観からの脱却の様子がよく分かる好著だ。

 宮地氏自身も、東大史料編纂所時代を含め、一次史料の発掘やその読解を丹念に行っているのだが、こと歴史記述の視点となると、マルクス主義史観にとらわれ、そこから脱却していないようである。(続く)

(文責=育鵬社編集部M)

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