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渡辺浩弐
渡辺浩弐
作家。小説のほかマンガ、アニメ、ゲームの原作を手がける。著作に『アンドロメディア』『プラトニックチェーン』『iKILL(ィキル)』等。ゲーム制作会社GTV代表取締役。早稲田大学講師。

第410回

4月9日「アレルギー体質」

・花粉症はつらいけれども、花粉のアレルギーが出ている間は肌のアレルギーが出ない。花粉が終わると肌がつらくなる。

・日中はなんということもないのだけど、困るのは眠っている間にかきむしってしまうことだ。目覚めたら全身血まみれになってしまってるなんてこともある。厚手の手袋をしたりして寝るのだが、どうしても無意識のうちに取ってしまう。手首のところできつく留めておいても、歯で食いちぎったりしてる。

・そこで、後ろ手の形で両手を縛ることにした。これはなかなかいい具合だった。痛くないように、かつ、外れないように、指導本などを見て縛り方を研究した。結果、亀甲縛りをアレンジした渡辺縛りを開発した。

・すなわち全裸に縄だらけの姿で寝るのである。仕方ないではないか。一度、寝相が悪くてベッドからずり落ちかけていたことがあった。運悪く、ベッドの端に縄の先が引っかかっていた。縄の首筋の部分が絞まり、苦しさのあまり目が覚めたのだ。

・すぐにまた薄れていく意識の中、これで死んだら、完全密室殺人事件になるかもしれないと気付き、ひとりで興奮していた。

4月10日「ネット上のライブハウス」

・ニコニコ動画「ユーザー生放送」の枠が4月に入って100枠から180枠に増えた。と思ったら今日、240枠に増えていた。それでも常に満杯だ。

・ちょっと面白いことをやれば数十人~100人くらいはすぐに集められる機能は都心のライブハウスなみの媒体力はあるってことだ。それが240個もあるのだ。数千人が絶えずライブに参加してるわけである。

・連打枠取り合戦がやだって人は500ポイント(500円)で枠の予約もできるようになったので、インディーズのバンドや地下アイドルのようにライブハウスサイズの場所から天下を狙っている人たちはどんどん使った方がいいよ。企業の場合、チャンネルを開設すればいつでも必要な時に生番組をおっぱじめることができるわけである。今後はこういうメディアの価値を生かせるところが生き残れると思う。

4月14日「うまくいったら農家に」

・いろいろな条件下でいくつかの種類のコーヒー苗を育てている。東京でコーヒー豆が作れたら本当に面白いんだけど、どうだろうかな。来冬はビニールハウスが必要かな。ビニールハウスって風通しはどうすればいいんだろう。

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第409回

4月2日「やってみよう」

・ゲーム実況が面白くてたまらない今日この頃。遂にチャンネル開設を申請。これも4月1日付けで書けば良かったかな。

・ピンと来た人、特にクリエーターの皆さん、連絡下さい。

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4月3日「幻想の残像」

・大学の再来年卒業者、つまり新3年生の就職戦線が既に過熱しているらしい。就職活動の必死さは、そもそも終身雇用制度を前提にしたものだった。今はせっかく入ったところでいつクビになるかわからないのである。企業側にしたら理論的には給料1ヶ月分を払えばいつでもクビにできるのだし余裕のない今はその理論通りのことが行われている。いまだにスーツ着て髪切って1年も費やして必死でぺこぺこしてまわるほどのものでもないのではないか。

・つまり一流大学に入ることも、さらには受験に特化した勉強に時間を割くことも、同じである。

・ところで企業が社員の一生を保証してくれるという幻想が機能したのはせいぜい1960年からの30年間くらいである。新入社員として就職して予定通りに定年まで過ごせた人って、ものすごく少ないのだ。

4月8日「学びつつ教える」

・大学(大学院)の授業、スタート。資料の書面や映像はもうあまり使わないようにしてできるだけ喋ることにする。今は現在進行形の事象が一番面白いからだ。大学なんか通っている場合ではないんじゃないか、という結論になると自己矛盾するんだけど。

・来年あたりからは授業をニコ生でやりたいと思ってるけど、そういうわけにはいかないんだろうね。

第408回

3月27日「貧しさゆえの豊かさ」

・『ベッドタイム・ストーリー』。子供の枕元で話したことが、翌日、現実の世界で起きてしまうという物語。映画の内容はとても楽しめたけれど、ここではちょっと別の感想。

・子供のために叔父さんがでっちあげる話はでたらめでオリジナリティがないため、どれも一昔前の映画にそっくりなものになる。その映像がいちいちハイクオリティーに仕上げられているからパロディとして成立するわけである。映画技術の進化が加速しているおかげで、少し前の映画が本物以上のレベルで作れてしまう。それを1本の中にたくさん取り込んでしまえる、というところに制作者のアイデアがある。

・このアイデア、デジタルコンテンツならどのジャンルでも、例えばゲームでも使えるだろう。ただし、技術の進化に物語の進化が追いついていない状況はちょっと寂しく感じられるのである。

3月28日「軽さゆえの広さ」

・iPHONEアプリの『メタルギアソリッドタッチ』をプレイ。シンプルさに驚く。

・ただし物足りない、という批判は的はずれなのだろう。iPHONEのようなプラットフォームに対してはどのゲームも最初は低価格で、お試しレベルの気軽さでプレイできるゲームとしてリリースされ、以降、柔軟に続編ないし拡張版が出される形になっていくのだと思う。

・iPHONE3.0なら、ゲームをタイトルごとではなくステージごとに販売するモデルもたやすい。インデペンデントの制作者ならば、試しに1部分だけ作ったゲームを安く販売してみて、それがある程度売れたら続きを作る、という戦略もありだ。

4月1日「エイプリルフール活用」

・この日付を活用して言っとく。渡辺浩弐と渡邊浩弐を混同している人がとても多いこと。理由は第1に、渡辺のことを知ったかぶりして渡邊と表記する人や、渡邊のことを面倒くさがって渡辺と表記する人が、多いせい。第2に、僕らがこの間違いをあえて訂正しようとしていないせい。ウィキペディアも、いつの間にか一緒の項目にされてしまってる。

・一方は、「ファミ通読んでましたー」とか言われて、いや僕はそっちのワタナベコウジじゃありませんと説明する機会が、そしてもう一方は、「PCランド見てましたー」とか言われて、いや僕はそっちのワタナベコウジじゃありませんと説明する機会があまりにも多く、二人とも、いいかげん面倒になってしまったのである。それで会ってみたら顔も結構似ていたので、話し合って同一人物だってことにしてしまえということになった。服も黒いものしか着ないとか、髪型も変えないとか、最低限の取り決めをした。

・仕事も混同して入ってくるので、もういちいち訂正せずに受けてしまうようにしている。間違ってきた分は相手にそのまま渡すようにしている。ワタナベコウジのつもりでワタナベコウジに来たものはワタナベコウジが受けてワタナベコウジに振って、ワタナベコウジのつもりでワタナベコウジに来たものはワタナベコウジが受けてワタナベコウジに渡すのだ。

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第407回

3月17日「アイコン化するクリエーター」 ・今夏リリース予定のiPHONE新OS(3.0)について。作り手の立場でいうと、ダウンロードしてもらったアプリから次のコンテンツを買ってもらうこともできる「アプリ内決済(継続課金 […]

第406回

3月14日「白日のもとに」 ・昔はバレンタインデーに告白してホワイトデーに戻ってきたら絶対に付き合わなくちゃならなかった。それくらいの緊張感があったから良かったのだ。逆チョコなんて概念を出した瞬間に、バレンタインデー自体 […]

第405回

3月2日「死ね死ね団がやってたけど」 ・お札を特別に刷ってばらまくのもいいと思う。かなり注意深くやる必要はあるだろうが、税金を再分配するというアイデアよりは100倍ましだ。 ・前者は、国のブランドに対する自信をベースに行 […]

第404回

2月26日「名作キャバゲーでもある」 ・『龍が如く3』発売。最先端ゲームでありつつ、任侠映画の正統後継者でもある。日本の街の美しさ、日本人の顔の美しさを、きっちりと描写しているところが好きだ。 ・このゲームをやり込んだ後 […]

第403回

2月18日「すぐ近くのコーヒー名産地」 ・台湾の出版社、全力出版のリン社長来日。リンさんは「コミコミ」というマンガ共有サイトを活用して、自社の月刊雑誌をネット上に完全移行することに成功している。毎月紙に印刷して発刊、配本 […]

第402回

2月15日「本気のワークシェアリングとは」 ・コンピュータとネットワークによって社会の仕組みと個人の生き方を変容させることが大事である。好きなことを1日にほんの数時間やってそれでOK、なライフスタイルはもう可能だと思う。 […]

第401回

2月3日「スマイルプライスレス」 ・仕事論の続き。「やりたい仕事をやるべきだ」というと甘いと言われるが、「やりたくない仕事ならやってほしくない」と言うと厳しいと言われる。同じことなのにね。 ・例えば失業者に対して「選り好 […]