「8月に入ってからの売り上げは半分ダウンですよ、アイゴー。これもあのバカ大統領が余計なことしてくれたおかげね」
そう語るのは、歌舞伎町の韓国ガールズバー「W」の店長。8月10日、韓国の李明博大統領の竹島訪問を機に、日韓関係が急速に冷え込んでいるのは周知の話だが、その余波は日本の韓国飲食店、韓流ショップの冷え込みにも繫がっている。同店の韓国人留学生・ヒョミさん(25歳)が続ける。
「先週、日本のお友達に誘われて神宮球場に野球を観に行ったんですけど、そのとき友達から『こういう時期だから、韓国語は話さないほうがいいよ』と言われたのです……。私たちは日本が好きでこの国に来て、文化を愛してきたのに、これでは悲しすぎます」
連日伝えられる中国、韓国の反日機運の高まり、理不尽な主張をゴリ押しするかのような彼の国の姿勢に憤りを感じるのは事実。しかし、坊主憎けりゃ袈裟まで憎いとばかりに、その国の人・文化までを否定するような動きには疑問を感じる。そもそもこの国の保守とは外国の多様な文化を取り入れつつ、共存を図ることだったはずだ。てなわけで、領土問題で揺れる今、あえて夜遊びの舞台を錦糸町に設定。いわずと知れた、東京随一の外パブ過密地帯である。
尖閣諸島ってどこ?中国小姐は関心ナシ
錦糸町駅南口、マルイの裏側に跋扈するさまざまな肌の色。一斉摘発によって、時代ごとに台頭勢力が変わるのもこの街の特徴で、最近では中国系のお店に勢いがあるとか。連れ出し系のお店に迷いこまぬよう用心しつつ、まずは中国パブ「ナナ」へと向かった。
「尖閣諸島ですか? 最近よくお客さんが話すので、初めて知りました。中国のニュースは毎日観てるけど、それはあまり報道されないので……」(A鈴)「日本車にモノを投げるシーンを見て恥ずかしいです。きっと、あの人たちは暇なのでしょう。そんなことより私たちにはもっと重大な問題があるはずです」(K香)
そういって、撮影したカメラを取り上げ、「これは私がキレイに見えない角度です」と、勝手に削除を始める。「化粧品は資生堂が一番です」と口にするあたり、少なくとも彼女たちにとっては、領土問題より“個人の美”の問題のほうが優先事項のようだ。
中国パブを皮切りにロシア、フィリピン、多国籍クラブと回るが、昨年の摘発の煽りか、肝心の韓国系のお店がなかなか見つからない。知人の韓パブ通が「西日暮里の雑居ビルに良店がある」と情報をくれたので、錦糸町を後にする。
【スギナミ流外パブの歩き方】
中国パブ「ナナ」
黒木瞳似のママが経営。女のコのドリンクは2000円と高めだが、愛嬌は◎
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スギナミ 東京都生まれ。主な出没地域は中野、高田馬場の激安スナック。特技は「すぐに折れる心」
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