“日本での花見”に憧れる中国人旅行者たち「上海とは咲き方がぜんぜん違う」
中国人の「爆花見」ブームが止まらない。日本政府観光局が20日に発表した訪日外国人数によると、2015年度は前年度比45.6%増の2135万9千人で、2千万人の大台を初めて突破した。最多の中国からは約500万人が訪日し、4月は前年同月の2倍超の約40万人に。東京の街を歩けば中国人、という光景はもはや日常だ。
アジア諸国を中心とした「訪日ブーム」が影響したことから、政府は東京五輪・パラリンピックが開催される2020年の訪日外国人数の目標として掲げていた2千万人を、現在は2倍の4千万人に引き上げている。この好調ぶりの一端を支えているのは、どうやら中国人の日本での花見への強い憧れがあるらしい。
3月30日、桜の名所である東京・隅田公園。東京スカイツリーから歩いてきた中国人観光客に「隅田公園はどこですか?」と尋ねられた。公園へ案内すると、桜の木の下は多くの花見客でごった返し、あちこちで中国語が飛び交っていた。
上海で日本語を勉強し、留学を経て現在は日本で会社員として働く20代の女性は「中国人のなかで、日本の一番人気は何といっても桜です。中国にも桜はあるんですが、上海で見る桜と日本の桜は咲き方がぜんぜん違います」と力説する。
中国といってもその土地は広大で、都市によって気候は大きく異なり、桜が咲かない地域も多いが、一部の都市では容易に桜を見つけることができる。北京では玉淵澤公園、上海では上海植物園などが桜の名所として有名だ。しかし、同じ桜の木でも日本と中国では、周りの風景や趣が大きく異なるという。
「隅田川に沿って咲く桜や、優雅な庭園にある六義園の桜のように、とにかく風景全体が美しい。六義園の夜桜ライトアップは最高でしたね。中国の公園で見る桜とは雰囲気が違いますし、日本のみなさんが見たらガッカリしちゃうと思います。早咲きや遅咲き、ソメイヨシノとか八重桜とか、桜にはたくさんの種類と楽しみ方があることを知りました。日本の桜が一番きれいなんじゃないかな」(同)
花見シーズン前に中国の旅行会社の公式サイトを見ると、「桜 東京、箱根、鎌倉、大阪5泊6日旅行」といった具合に、各地の桜の写真を掲載している。一緒に来ていた南昌出身の女性は、「毎日ネットで日本の桜の開花予測をチェックしていました。桜の開花シーズンは大人気で、日本旅行のチケットが取れないかもしれないからね。タイミングよく満開の桜が見られて幸せです」と笑顔を見せた。

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