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日本列島の地下は“活発”になっている!? 熊本地震と噴火を関連づける「プルームテクトニクス」理論とは

地震と火山噴火を関連づける「プルームテクトニクス」理論

 そして、体感としてお気づきの読者も多いだろうが、日本列島の火山活動も活発になっている。地震と火山噴火の関連性については、地学で「プルームテクトニクス」として説明されてきた。1960年代に登場したのは「プレートテクトニクス」で、地球の全表面を覆う厚さ数十キロほどのプレートの運動から地球変動の原動力を解釈しようとする考え方。一方の「プルームテクトニクス」では、マントル深部から湧き上がる高温で巨大な物質が煙のように循環(プルーム)する現象が要因と説明。1994年、東工大理学部・丸山茂徳教授が提唱した理論である。
陸上自衛隊

陸上自衛隊Facebook「熊本地震災害派遣活動」より

「プルームテクトニクス」については、2015年6月23日号の週刊SPA!でコラムニストの勝谷誠彦氏が指摘していた。以下には、勝谷氏の言葉を一部引用する。 <マグマの突き上げが地震や噴火を起こすということであって、これだと両者をひとつとして説明できる。いま日本国に起きていることはこれではないかと、素人だから大胆に言ってみるのである。日本列島の下からの突き上げがあるのではないか。東日本大震災はまさにその先触れだったのではないか。さまざまな火山が活発化していることもそこで説明できるのではないか。素人地学屋が言うことである。しかし意外と当たっているのかも知れないよ。>  熊本の火山はどうか。震源に近い阿蘇山で4月16日午前8時半ごろ、小規模な噴火が起きた。阿蘇山は3月4日にも噴火するなど火山活動が盛んで、気象庁が常時観測する全国50火山のひとつ。地震が起きた地域の近くには阿蘇山のほか、大分県の九重山、鶴見岳・伽藍岳、長崎県の雲仙岳などの火山がある。
阿蘇山

震源に近い熊本県の阿蘇山でも小規模な噴火が発生

 なかでも鹿児島の桜島が活発だ。過去の記録を塗り替えるような爆発を繰り返している。4月1日に昭和火口で噴火があり、噴煙が高さ3500メートルに達した。鹿児島地方気象台によると、高さが3千メートルを超えたのは昨年6月4日以来。さらに、5月1日には同じく昭和火口で爆発的噴火が起き、噴煙の高さは約4100メートルに。噴煙が4千メートルを超えたのは、昨年5月21日以来約11か月ぶり。  昨年5月29日には、鹿児島県屋久島町の口永良部島の火山が大爆発した。爆発的噴火は約5分間続き、噴煙は一時高さ9千メートル以上まであがった。新岳は34年ぶりに噴火した。島にいた住民ら137人はフェリーや防災ヘリ、海上保安庁の巡視船などで東に約12キロ離れた屋久島に、全員避難を余儀なくされた。
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富士山周辺の動向――東日本も例外ではない
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