真面目な人ほど、ブラック企業経営者が持っているカリスマ性に惹かれてしまいます。しかし、ここで冷静に考える必要があります。ヒトラー、ムッソリーニ、スターリンなどの独裁者も、強力なカリスマ性を持っていました。その人が持つカリスマと、その人が社会的に果たしている機能は、冷静に分離して考察する必要があります。 　ブラック企業の中で一生懸命仕事をしている人は、心理的に経営者に迎合して自分が置かれている状況が見えなくなっています。そういう人には「こうならないように」と言って『ニューカルマ』を渡すと効果があると思います。間違った人生体験を書物の中で代理経験しておくと、ブラック企業から抜け出すきっかけになると思います。 【今回の教訓】 カリスマの引力圏では正常な判断はできない 【佐藤優】 ’60年生まれ。’85年に同志社大学大学院神学研究科を修了し、外務省入省。在英、在ロ大使館に勤務後、本省国際情報局分析第一課で主任分析官として活躍。’02年に背任容疑で逮捕。『国家の罠』『「ズルさ」のすすめ』『人生の極意』のなど著書多数。最新刊は『90分でわかる日本の危機』’60年生まれ。’85年に同志社大学大学院神学研究科を修了し、外務省入省。在英、在ロ大使館に勤務後、本省国際情報局分析第一課で主任分析官として活躍。’02年に背任容疑で逮捕。『国家の罠』『「ズルさ」のすすめ』『人生の極意』など著書多数