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プロ客から見たキャバクラの世界【コラムニスト木村和久】

 その点、常連のプロ客は、店側に「この客はいつも2時間で帰る」みたいな、把握をされているので、キャバ嬢を小出しにされることは少ない。たいがい呼ぶコも決まっているしね。プロ客としては長居をしたり、シャンパン空けての大盤振る舞いなどはしなくていい。安定して長く通って貰えばいいのだ。それがプロってものです。  イベント中のお約束、ビンゴゲームは、ビンゴカードを配ってから、抽選するまでわざと1時間ぐらいかける。店側はビンゴ抽選の延長料金でがっぽり稼ぐわけだ。これもプロ客は、滞在時間を決めているので、「ビンゴの賞品は、女のコに渡して」と言って、さっさとチェックしてしまう。それが許されるのも、相手が顔馴染みだからである。  新人嬢においても、プロ客に一番に紹介し、店に慣れてもらうのはお約束だ。プロは、あてがわれた新人を、速攻口説くのではなく、まずは優しく、懇切丁寧に接する。新人嬢の約3日間の体験入店期間中は、気分を害して辞める可能性があるから、「なんて素敵なお店なの、お客さんも親切だわ」と、思わせて正式に入店を決めるように仕向ける。そして彼女が店に、腰を落ち着かせてから、ゆっくり口説くのがプロである。  プロ客がキャバ嬢を口説く段階で、一番大事なことは、「キャバ嬢が好意をもっているか」である。客が勝手に空回りして「来週は箱根の温泉決定だあ〜」とはしゃぐ一方、キャバ嬢は店に「温泉行こうって、しつこいんですけど、どうします?」なんて相談されてては、身も蓋もない。黒服に「適当に引っ張っておけば」と、言われて終わりだから。そういう「情報筒抜け客」にはなりたくない。いまどき「温泉に行こう」と口説く客も珍しいけどね。
木村和久

木村和久

 もしキャバ嬢が客に好意を持っていたら、結果はどうあれ、店には相談しないであろう。少しの秘密は、やがて大きな秘密になる可能性は充分にある。プロ客は最終的に「結果にコミット」して当然である。なんだかどっかの、ダイエットプログラムみたいですな。とりあえずキャバクラ行く前に、痩せてみますか。 ■木村和久(きむらかずひさ)■ トレンドを読み解くコラムニストとして数々のベストセラーを上梓。ゴルフやキャバクラにも通じる、大人の遊び人。現在は日本株を中心としたデイトレードにも挑戦
トレンドを読み解くコラムニストとして数々のベストセラーを上梓。ゴルフやキャバクラにも通じる、大人の遊び人。現在は日本株を中心としたデイトレードにも挑戦。著書に『50歳からのかろやか人生』
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