“レッスルマニア9”とブレットの主張――フミ斎藤のプロレス講座別冊WWEヒストリー第138回
ビンスはこの時代にラスベガスのホテル買収を計画し“WWEリゾート”の開発に着手しつつあったとされるが、このプランは実現には至らなかった。WWEがその後、ラスベガスでの事業展開を“保留”とした背景には、プロレスがギャンブルの対象にはなりにくい(ならない)スポーツだという現実があった。
“レッスルマニア9”のメインイベントにはブレット対ヨコヅナのWWE世界ヘビー級選手権がラインナップされていたが、ブレットの観客動員力を不安視したビンスはシーザース・パレスで記者会見がおこなわれた1月の時点ですでにハルク・ホーガンと水面下でのコンタクトを図っていた。
前年4月の“レッスルマニア8”を最後に“休業宣言”したホーガンは、契約上はすでにフリーエージェントとなっていた。ホーガンはビジネス・マネジャーのジミー・ハートをWWEとの交渉の窓口に立て、みずからはビンスとの接触を回避した。
ホーガン・サイドが提示した条件はふたつだった。ひとつはJ・ハートとブルータス・ビーフケーキの“友情出演”で、もうひとつはメインイベントのポジションでの試合出場。ホーガンはビンスに難題を突きつけた。これに対し、ビンスはある“ハプニング”をひねり出した。(つづく)
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文/斎藤文彦 イラスト/おはつ
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