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「闘病生活も見方を変えると面白い」 ギラン・バレー症候群をユーモアに描く漫画家・たむらあやこを直撃

――闘病生活の中で、自分なりの楽しみを見つけることが一番大事ですか? たむら:特に男性を見ていて思ったのは、友達がいなくて仕事しかない人が病気になると、心がポッキリ折れちゃって、動かなくなっちゃうんです。女の人だと、ご飯をつくらなきゃいけない、家のことをやらなきゃいけない、子どもの面倒をみなきゃいけないとかやることがある。結果として、前向きになるんです。  男性で多いのは、動かなくなってテレビばっかり見るようになって。同じ病状でも、好きなことがあって、旅行が趣味だったら、旅行に行きたいから頑張っていて、動くからお腹がすいて、ご飯を食べて体力がついて、またさらに遠くに行って。それがいい循環になって、行動力が増えて、生き生きするようになるんですけど、動かなくなっちゃうと内臓も衰えるし、認知症にもなったりとか、その後が全然違うというのを見ていて思いました。好きなこと、やりたいことがあれば、それが行動に繋がり、動くからお腹が空き、食べるから元気が出て、より行動的になる。好循環で病状がよくなる人もたくさんいます。  好きなことがない人は、無理やりにでも「これをやってると落ち着く」とか、何でもいいから見つけて、無理やりにでも友達でもつくってというふうにして、生活の、人生の質のほうを、もう少しよくして楽しんでほしいと思います。 ――たむらさんがこれからやりたいことは? たむら:今回は「人の役に立つものを」という思いだけで描いているので、人の役に立たなきゃ、これは完成じゃないと思っています。もともと好きで描いていたし、寝られないくらい「描きたい!」っていうのと、家庭の事情で美大に行けなかったり、絵を諦めた経験が多かったので、ようやく誰に遠慮することもなく堂々と絵が描けることがうれしいんです。「こんなに、寝られないくらい好きなんだ」というのも、倒れてから初めてわかったので、自分が一番びっくりしました。でも、漫画のアイディアとか、今も描きたいものがいっぱいあるので、漫画だけじゃなくて、イラストとかいろんなものを一生懸命描いていきたいですね。 たむらあやこ<取材・文・撮影/北村篤裕>
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ふんばれ、がんばれ、ギランバレー!

自身の闘病生活を面白おかしく描いた准看護師の漫画が話題に

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