“マッチョマン”ランディ・サベージの孤独――フミ斎藤のプロレス講座別冊WWEヒストリー第149回
ビンス・マクマホンは契約タレント全員を対象としたランダム式のドーピング検査の導入をアナウンスし、マスメディアの“WWEバッシング”と対決姿勢をみせた。ホーガンはみずからの“引退ドラマ”を演出することでファンとマスメディアの視線を“ステロイド問題”からそらせた。
80年代のサベージと90年代前半のサベージは、肉体的にはまるで別人になっていた。シンプルなショートタイツとリングシューズを定番コスチュームにしていた時代のサベージは文字どおりの“マッチョマン”だったが、90年代前半のサベージはネオンカラーのフルコスチュームで全身をすっぽりと覆っていた。“ガス抜き”を試みたサベージの上半身は異様なスピードでスリムダウンした。
ビンスは“ポスト・ホーガン”路線の主役候補をレックス・ルーガー、“ヒットマン”ブレット・ハート、ショーン・マイケルズの3人に絞り込んでいた。ホーガンと同世代のロディ・パイパー、リック・フレアーらがWWEのリングからフェードアウトすると、サベージも自動的にトップグループから降格した。
サベージは現役引退―TVショーのコメンテーター転向を希望したが、ビンスはあくまでもサベージに全米サーキット同行を指示した。42歳のサベージは10年間在籍したWWEからの“脱走”を計画していた。サベージをライバル団体WCWへと導いたのはほかならぬホーガンだった。(つづく)
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文/斎藤文彦 イラスト/おはつ
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