内部被曝の恐怖【中編】「放射線に対抗する唯一の方法は?」
―[短期集中連載vol.10 原子力]―
※内部被曝の恐怖【前編】はこちら⇒https://nikkan-spa.jp/116116
「被曝をできるだけ少なくするために、『原発からとにかく遠く逃げろ』とか『汚染されてない食べ物を食べろ』などと言われています。でも、遠くに逃げても生活できて、汚染されていない食べ物を調達できるというのはごく一部の人々です。ほとんどの人々は、放射能汚染されたこの日本で生きざるをえない状況になっています」と語るのは、広島市への原爆投下により自身も被爆した医師・肥田舜太郎氏。それでは、今後どうやって放射能から身を守ればよいのだろうか? 肥田氏に聞いた。
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◆放射線に対抗する唯一の方法は、生まれつき持っている免疫力を弱めないこと
私は、「自分で自分の身体を守るしかない」とはっきり言います。特別な方法はありません。「放射線に対する免疫力を弱めないように、健康に生きる」という、この一点につきます。
人間の祖先は40億年前にこの地球上に現れてから、紫外線と放射線でどんどん死んでいきました。奇形もどんどん生まれていった。しかし、長い年月を経て進化を続け、放射線に抵抗できる免疫をつくってきました。その結果、いま紫外線や放射線の影響を受けても、地球上で毎年生まれれる新生児10万人のうち、1人くらいの奇形が生まれるレベルにまで免疫を高められたんです。
ですから、放射線に対抗する手段は、これまでの「動物としての人間の生き方」に学ぶしかない。夜更かしして夜遅くまで遊び回るなんて、せいぜいここ数十年のもの。その前は太陽とともに寝起きしていました。いちばん大事なのは「早寝早起き」です。そうしないと、先祖から引き継いできた免疫力が低下してしまいます。
それから、食べ物の食べ方。日本人の主食はコメですが、よく噛まない人はその8割9割を便として排出してしまっています。これは、口の中で唾液中の酵素ジアスターゼとコメが十分交わらずに腸がうまく吸収できないためです。ですから「食事のときによく噛め」というのは、人間の免疫力を保持するための鉄則なんです。免疫という意味で言えば、味噌や梅干しなど、日本の伝統食品である発酵食品が放射線から守ってくれるというのも頷ける話です。

―[短期集中連載vol.10 原子力]―
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『内部被曝』 95歳、肥田舜太郎医師の言葉 ![]() |
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