ブレットがWWE世界王座奪回@“サバイバー・シリーズ”――フミ斎藤のプロレス講座別冊WWEヒストリー第198回(1995年編)
第3試合にレイアウトされたゴールダスト対バンバン・ビガロのシングルマッチは、新顔のゴールダストがブルドッギング・ヘッドロック一発でビガロをフォール。ビガロはこの試合を最後にWWE退団が決定していたが、実況&解説チームのビンス・マクマホン、ジム・ロス、“ミスター・パーフェクト”カート・ヘニングの3人はなぜかビガロの去就についてコメントしなかった。
第4試合、アンダーテイカー&ファトゥー&ヘンリー・ガドウィン&サヴィオ・ヴェガ対ジェリー“ザ・キング”ローラー&ハンター・ハースト・ヘルムスリー&キング・メイベル&アイザック・ヤンカム(のちのケイン)のイリミネーション・マッチは、チーム・アンダーテイカーがチーム・ローラーを一蹴。この時点ではまだ若手ヒールのひとりだったトリプルHは、キングの子分というポジションに甘んじた。
第5試合のショーン・マイケルズ&アーメッド・ジョンソン&デイビーボーイ・スミス&サイコ・セッド対レーザー・ラモン(スコット・ホール)&ヨコヅナ&オーエン・ハート&ディーン・ダグラス(シェーン・ダグラス)は、ショーンがひとりだけ“生き残り”に成功。試合の途中でデイビーボーイの裏切り行為=ヒール転向という新しいドラマのヒントがディスプレイされていた。
メインイベントにラインナップされたWWE世界ヘビー級王者ディーゼル(ケビン・ナッシュ)対挑戦者“ヒットマン”ブレット・ハートの同タイトルマッチは、24分54秒、ブレットが速攻のスモール・パッケージ・ホールドでディーゼルからカウント3を奪った。ブレットにとっては前年11月、ボブ・バックランドに敗れて以来1年ぶり、通算3度めのWWE世界王座獲得となった。
ディーゼル対ブレットのタイトルマッチにはこれからの長編ドラマの“予告編”と思われるいくつかのシーンが散りばめられていた。ベビーフェース対ベビーフェースというシチュエーションでスタートした試合は、中盤戦から終盤戦にかけてのラスト10分がディーゼルのヒール的カラーの模索という新展開を示唆するものだった。
この連載の前回記事
この記者は、他にもこんな記事を書いています
ハッシュタグ