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80年代ラブコメの金字塔『めぞん一刻』 聖なる酔っぱらいの告白――南信長のマンガ酒場(1杯目)

 第3話はクリスマスのエピソード。とくれば当然、宴会である。朱美の勤めるスナック「茶々丸」で開かれるクリスマスパーティ(有料)に誘われて「遊んでる暇なんかないよ」と断りながら、響子さんが参加すると聞いてまたもコロッと態度を変える五代であった。  そんな彼がどうにかこうにか大学に合格すれば、やはり祝宴を開かないわけにいかない。商店主チーム対茶々丸チームで草野球対決をすれば、もちろん打ち上げの宴会。いつものように茶々丸に集まり、日の丸の扇子を持って「わははは」と踊り狂う一の瀬さん、マイペースで飲む四谷、従業員なのに普通に飲んだくれる朱美さん、意外とイケるクチの響子さん……という感じで、とにかく酒盛りシーンがやたらに多いのだ【図2】⇒【画像】はコチラ(図2)https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1236411
図2「めぞん一刻」6巻p24

【図2】『めぞん一刻』6巻P24より。(c)高橋留美子/小学館

 試しに単行本全15巻をチェックしてみたら、確認できる範囲で茶々丸15回、一刻館では少なくとも50回は宴会している(連日連夜の宴会が1コマで表現されてたりする場合もあるので実数はもっと多いはず)。それ以外にも五代がバイトするビアガーデンや五代が入院した病室、あげくの果ては駅のホームでもどんちゃんやっているのだから、ハタ迷惑も甚だしい。  しかし、やってる本人たちはすこぶる楽しそう。周りにとってはうるさいだけの酔っぱらい集団も、中に入ってしまえばパラダイス。同じアホなら踊らにゃ損――というのが、わがニッポンの伝統だ。一度でいいからあの宴会に交ざりたい、一の瀬さんの踊りを見たい、何なら朱美さんに絡まれたい、と思うのは私だけではないだろう。
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伝説の「響子さ~ん 好きじゃあああ」
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めぞん一刻 (1)

「一刻館」の住人と美人管理人の間で巻き起こる爆笑ラブ・ストーリー


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