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お坊さんの修行ってどれだけ厳しいの?「与えられるのは一畳のスペースのみ、そこで何年間も…」

修行から逃げた人はどうする?

「やはり、何人かは途中で耐えられなくなって、どこかに逃げてしまいました」  その際には、まさか全員で行方を追うのか……。逃げた人はその後どうするのだろう。 「特に探しだして問いつめたりはしませんね。去る者は追いません。また、逃げた人がどうするのかと言えば、ほとぼりが冷めた頃に別のお寺でシレッと修行を再開しているケースがほとんどです」

厳しい修行を終えた後の感想とは

 ともあれ、そんな厳しい修行を終えた後の感想とは、どういうものだろう。彼は少し思い出すような素振りを見せた後、ニッコリと笑顔でこう答えた。 「達成感に満ちていました」  さらに、Aさんはこう続ける。 「そういった経験って、なかなかありませんから。長い人生を考えて、修行時代はとても有意義な時間だったと思います」  では、何年にも及ぶ厳しい修行から解放されたのち、最初にしたことは? 「自分はラーメンが好きなので、おいしいラーメン屋めぐりに行きました。あと、年数が経てば、こうしてお酒なども飲めるようになるんです」  Aさんはビールのジョッキをグビグビと飲み干した。その表情は晴れやかだった。 <取材・文/山田門八>
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