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DMM亀山会長の儲け哲学「面白そうなビジネスが集まる環境づくりが大切」

――新しい分野に早めに手をつけたほうが勝つということですか? 亀山:負けるときもあるけどね。ただ、勝つかどうかはわからないけど、今の仕事で利益に余裕が出たら、先のありそうなビジネスに投資していくというのが大切。例えば、今ならFXやゲーム事業で利益を出している間に、何年後に来るかわからない3Dプリンターに投資するみたいなことだよ。  余裕があるうちに挑戦していかないと、みんな飲み代に消えちゃうでしょ。いいマンション買っちゃったりね(笑)。それなら、後々化けるかもしれないビジネスに投資したほうがいい。利益は全部投資に回してもかまわない。儲ける仕組みを作り続けないと。「俺はいつでも儲けられるけど、お金持ってない」ってのが一番強いよね。 ――上場企業では内部留保する企業が増えています。DMMはそうした会社とは違う? 亀山:今多いよね、そういう会社。ビジネスというのは投資してから、5年後か10年後に芽が出るかもしれないってものが多い。でも、上場企業は毎年の決算で評価されるから、気軽に投資ができない。ウチは上場企業じゃないから、株主の顔色を見ず気楽にやれる。それで、『DMM.make AKIBA』や『DMMプラネット』を作ったけど、やったら結構ウケるわけ。儲からないし思った以上に赤字だから「やめようかな」って思ったら「いいことやりますよね」って褒められる。ただでさえエロを売って評判悪いから、少しは良いこともしておかないとね(笑)。 ――それは、非常にやめにくいですね(笑)。今後も赤字が続いたとしてもやっていくということですか? 亀山:社会が求めていることをやるのも悪くない。例えば最近始めた『DMMアカデミー』は学歴構造とか機会格差を無くす目的で始めたわけだけど、後々儲かるという気持ちもある。もちろん何年も先だろうけど、会社にゆとりがあるなら社会的に支持されることをやっていたほうが、会社も人生も良くなると思うんだよね。さっきの若い連中が面白いものを作って人を集めるのと一緒。一応支持されることをやってると、後々良くなるという気持ちでやっている。まあ、これは一時的な気の迷いかもしれないけどさ(笑)。 ――目先のことばかり考えずに将来性を考えるということですか? 亀山:個人でもそう。明日食べていくのに必死な人は、勉強しようとか考えないでしょ?『DMMアカデミー』で衣食住を用意してやるから「東京来いよ」って言うと、とりあえず安心できる。で、明日食えるなら勉強してみようかなって思う。そうしないと、大きく儲けようってやつも育たない。機会と予算を与えて「1回やってみたらいいよ」って背中を押してやるのが俺の仕事かな。 ――『DMMアカデミー』はまさにそうした考えのもと、実行されている事業だと思います。そのなかで、会長の中ではビジネスで結果を出す猶予期間は決めているのですか? 亀山:期限は別に決めないよ。例えば、DMM英会話とかもどんどん海外へ進出しているけど赤字。将来儲かるみたいな思いはあるけど、別にトントンでもいい。それよりも、世界各国に講師を持ってくれれば、次のグローバル展開がやりやすいとか、広がりがある。そういうネットワークができれば、赤字だろうと続けていく。  『DMMアカデミー』であれば、そこで勉強した人の中から意外と儲けるやつが誕生するかもしれない。または、卒業生が「お世話になりました」って恩を感じて、俺に仕事を持って来てくれるかもしれないしね。そんな美味しいことを期待している(笑)。
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「面白いビジネスができそう」という雰囲気作りが大切
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