あの女社長が明かす“アパホテルが独り勝ちできる理由”「メインターゲットは平日のエリートサラリーマン」
――ということは、まさに偶然?
元谷:はい、まったくの偶然です。耐震強度不足報道がなければ銀行にお金を返してないし、もっと土地を買っていたかもしれません。そうすれば、リーマンショックの際に土地を買うこともなかったです。
――リーマンショックで「土地の値段がもっと下がるかも」という恐怖のなか、よく決断できましたね。
元谷:日本では市場価格との比較で土地の値段を見る方法が主流ですが、うちの代表はその土地からいくらの収益が上がるかを算出して土地の値段を判断する「収益還元法」で評価するのです。それが、アパホテルが成功した理由の一つだとも思います。
――結果、いい土地を押さえることができて、成功したと。
元谷:ホテルで大事なのは立地です。とにかく駅近であることが条件。だから、うちのホテルは平均すると駅から徒歩3分以内です。
――駅近にこだわる理由は?
元谷:うちは1200万人を超える会員がいらっしゃいますが、メーンターゲットはエリートビジネスマンの方なんです。エリートは出張が多いし、時間を大切にされるでしょう? だから、平日の滞在先にアパホテルを選んでくださるように、利便性のよい駅近を選んでいるのです。
――既存のホテルだと、週末利用の観光客をターゲットにするところが多いですが、なぜ平日利用のビジネスマンに狙いを絞られたのですか?
元谷:私も最初は「週末客を狙うべきではないか」と思ってたんですけど、うちの代表に「1週間は、休日より平日のほうが多い。パイの大きさが違うんだから、そちらを狙え」と言われて。本当に目から鱗でした。
※このインタビューは2/28発売の週刊SPA!のインタビュー連載『エッジな人々』から一部抜粋したものです
【元谷芙美子】
’47年生まれ。福井県福井市出身。アパグループ代表である元谷外志雄氏と結婚後、アパグループを立ち上げ、’94年にアパホテル取締役社長に就任。華やかな帽子やスーツ姿で自らが広告塔となり、メディアに登場し「日本一有名な女社長」としても知られる
取材・文/藤村はるな 横山 薫(本誌) 撮影/増田岳二
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