学校現場が大変なことに! デジタル教科書で授業にも格差が?

授業風景

学校教育は社会と共に変化する

 学校教育は、ほぼ10年ごとに文部科学省によって改訂される学習指導要領を基にしておこなわれる。教科書も改訂された学習指導要領に沿って作成されるので、この学習指導要領の改訂を契機に授業も大きく変わる。  それとは別に、学校現場では、旧来の教科書を手に、白墨で板書をしながら先生が一方的に講義するような授業のスタイルが変化してきている。  先生個人の努力と知恵で授業を工夫するのは、以前からおこなわれていた。だが、現在、起きている変化とは、社会のデジタル化、IT化の波が学校にも押し寄せてきたもので、学校での授業のやり方が大きくに変わってきているのだ。  学校内でのデジタル化は、すでに副教材の使用から始まっていた。昔ながらの、電子辞書のようなものではなく、動画やインターネットを使った様々な教材が、授業の多角化や高度化に対応する補助教材として広がってきていた。  このようなデジタル教材は、より利便性の高い教材を授業で使用するという意味が大きかったのだが、教材だけでなく教科書に関しても、文部科学省が「デジタル教科書」を推進してきた。

デジタル教科書の登場

 デジタル教科書とは、「デバイスの中に教科書全部が電子書籍のように入っている」というものをイメージするとわかりやすい。ただし、教科書の完全なるコピーされたものだけでなく、様々な機能があるので、デジタル教科書を使うことで多様な授業展開が可能となる。
デジタル教科書

育鵬社のデジタル教科書

 このデジタル教科書、現在は法的には、教科書準拠教材として位置づけられており、「教科書そのもの」というわけではない。しかしながら、教科書全部がデジタルデバイスで見る(読む)ことができるので、実質的には「教科書」といってもおかしくない。  デジタル教科書は2005年から特定の学校での実証実験を先行して実施しつつ、先進的な自治体や私立学校などで徐々に採用され始めていた。最初は特定の教科だけだったデジタル教科書は、2011年の学習指導要領の改訂を期に各教科でも広がってきていた。

指導者用と学習者用の違い

 デジタル教科書には指導者用と学習者用の2種類がある。指導者用とは、教室で先生が操作して、電子黒板に映して生徒たちに授業を行うためのものだ。生徒は紙の教科書を使用するのでデジタルとアナログを併用することになる。  一方の学習者用は、児童・生徒にそれぞれ1台の端末を与え、先生と生徒全体をネットワークで繋いで学習を行う。先生の指示のもと、児童・生徒はタブレットを操作しながら授業を行う。  文部科学省としては、デジタル教科書が将来的には単に学校での授業だけでなく、家庭での自宅学習や地域での活用も含めた幅広い使用が可能となるような青写真を描いている。学校現場でのデジタル教科書の導入が、年々進んでいくのは間違いない。 (文/育鵬社編集部A)
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