更新日:2018年04月26日 22:07
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「授業で教えるべき!」と絶賛された異色のファッション本とは?

――買うべき色を最初に決めてしまう、というのは、盲点でした。その時々の気分によって服を選んでいました。 小林:ほぼすべての人はそういった買い方をしています。デザインやシルエットは気にするけれども、色はそのときの気分という方が多い。最初に色を決める理由は3つめのルール「③全体は3色以内に」を守るためでもあるのです。コーディネートというものは、全体が3色以内であれば、まとまりやすく、4色以上になってくると途端に色合わせのハードルが上がります。先ほどのマリンルックの例でいえば、ネイビー、白、赤に加え、もう一色、例えば、緑でも茶でもいいのですが、4色になった途端に合わせるのが難しくなってしまいます。4色以上のコーディネートももちろんありますが、それは3色コーディネートができるようになってからです。そこで私は、自分がメインで集める色、すなわちメインカラーを3色までと決めて、まずは3色以内で全体のコーディネートができるようにしましょうと言っています。ネイビーと白をメインカラーに決めたら、全身ネイビーや、全身白の1色でコーディネートがきるように服を揃えていくのです。 ――その場合のサブカラーとは、いわゆる差し色といった感じなのでしょうか。 小林:サブカラーは必ずしも鮮やかな色である必要はありません。サブカラーとして集めるのは、靴、バッグ、マフラー、帽子といった小物がメインなので、黒でもシルバーでも構いません。要するに統一されていればいいのです。全身ネイビーの1色コーディネートができるようになったら、そこでトップスは白に変えてみる、そうすればこれは2色コーディネートになります。さらに、サブカラーとして集めた赤のバッグとサンダルに変えるとこれは、3色コーディネートになります。そこでルール「④リレーションをつくる」です。サブカラーを2か所以上使ったらそれは色と色のリレーション、つまり関係性をつくったことになります。もちろん、リレーションは2点でも3点でも構いません。サブカラーとして選んだ、例えばバッグや靴など、1点投入してもいいのですが、それは偶然1点そこにあるだけです。しかし2点以上になると、それは偶然ではなく、意図があることになります。おしゃれとは、この意図してつくられたことがポイントなのです。 ――ルールの「③全体は3色以内に」と「④リレーションをつくる」がスタイリング、コーディネート方法のルールに該当するわけですね。確かに、こういった指針があれば、服選びに迷わなくなりそうです。 小林:こういったことは誰も教えてくれません。雑誌の定番に「1か月着回しコ―ディネート」といった企画がありますが、そこには基本となるルールがないので、応用のしようがないのです。紹介されている服を丸ごと買ったところで、自分に考えがないと、またムダの繰り返しになってしまいます。自分が買うべき色と必要なアイテムがわかっていると、ムダな買い物も減っていきます。ワードローブにその人らしさが表れてきます。ここに至るまでには、1年や2年、人によってはもっと長い時間がかかると思います。でも、誰にでもできる方法なのです。きちんとおしゃれについて学ぶことで、自分が好きなものをおしゃれに着られるようになってもらいたいと願っています。  『わたし史上最高のおしゃれになる!』には、小林さんのメソッドが詰まっている。ただし、コーディネートの写真はなく、あるのは数点のイラストと大量の文章だ。これはまさに男女を問わないファッションの教科書と言えるだろう。「頑張ってみよう」と思った方は、ぜひご一読いただきたい。 〈取材・文/犬飼孝司〉 小林直子【小林直子】 ファッション・ブロガー。津田塾大学学芸学部国際関係学科卒、文化服装学院卒。東京コレクション参加ブランドのパターンナー、大手アパレル会社の企画室を経て独立。現在、湘南エリアを中心に独自に開発したメソッドによるファッション・レッスン、各種ワークショップを開催するなど活動中。5月14日に新刊『わたし史上最高のおしゃれになる!』を発売。ブログ『誰も教えてくれなかったおしゃれのルール
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わたし史上最高のおしゃれになる!

靴とバッグは何色を買えばいいの?ボーダーと花柄はどっちがおしゃれ?なんでムダな服ばかり増えるの?…結局、何を買えばいいの??「おしゃれの疑問」はルールで解決できる。

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