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ラグジュアリー化する「ラブホ業界」の裏側――若い女性客を狙い2000万円をかけた超高級な部屋も

ラブホを銭湯代わりに?

「僕の場合はひとりで泊まるんですけどね(笑)。ライフスタイルが多様化するなか、チェックイン・アウトの時間に縛られる従来のビジネス、シティホテルは時代に合わなくなってきている。その点、ラブホは深夜からでも入れるし、サービスタイムなど柔軟性があります。タオルやシャンプーのレンタル費用を考えれば、スーパー銭湯と値段的にもさほど変わらないので、銭湯代わりに休憩利用をすることもあります」と語るのは、評論家の古谷経衡氏。  ラブホを銭湯代わりに……? にわかには信じ難いが、同様の使い方をするユーザーは少なくない。 「朝まで仕事で、次の日も昼出勤だと帰るのも面倒くさい。ひとっ風呂浴びて、仮眠するのに使っています」(歌舞伎町の飲食店員)  このように女子会から、銭湯代わりまで使い方が多様化しているラブホテルだが、社会学者の金益見氏は「そもそもラブホとは変化し続けるもの」と語る。 「歴史を遡ると、起源は江戸時代の出会い茶屋。戦前には円宿と呼ばれる1円で利用できるホテルが登場し、戦後は連れ込み旅館が大流行。行為が済むとすぐに帰ってしまう利用形態に合わせ、『休憩』などの時間貸しサービスが生まれた。回転率が上がったことで傷みやすい木造から鉄筋になり、’90年代はカラオケを導入、’00年代はアメニティを充実……と、ニーズに合わせて変化してきたんです」  また、変化を続ける背景には法律的な理由もある。 「ひとくくりにラブホテルと言われていますが、実は2種類あるんです。風営法に則っているものと、旅館業法で営業しているものがあります。一番わかりやすい違いは対面式のフロントがあるかどうかです」  現在、風営法のもとで営業しているホテルは’16年の時点で5670軒。これらの店舗は法律が改正されるたびに影響を受ける。 「’85年には“扇情的”という理由で、回転ベッドや鏡張りの部屋が規制されました。現存するものはそれ以前に設置されたものです」  ラブホテルとはかくありき、という定義があるわけではなく、時代とともに変わり続けるのがラブホテルであり、今もまさにその進化の途上というわけだ。金氏は「ラブホテルは住宅環境や羞恥心などが表れた、日本の文化のひとつ」と話す。あらゆる人を受け入れるラブホテルは、オリンピックを機に世界に誇るべきものの一つだ。 ― 変化する[ラブホ業界]の裏側 ―
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