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「豪の自滅」によってサッカー日本代表6度目のW杯出場決定――求められる冷静な目

6回目のW杯。メディアやファンに求められる冷静な視点

 この日のオーストラリアは、勝つための手段であるはずのパス回しが目的化してしまっていた。キック&ラッシュからの脱却を目指しているとはいえ、そればかりを追い求めて予選を突破できなかったのでは何の意味もない。オーストラリアのビルドアップが日本のプレスにまるで歯が立たないのは前半だけでも十分に明らかになっていたわけで、それであればハーフタイムに何らかの修正を試みるべきだっただろう。オーストラリアの柔軟性のなさ、融通の利かなさは日本をおおいに楽にさせることとなった。井手口のシュートは確かに文句のつけようのないすばらしいものだったが、そもそもオーストラリアのGKが普通に前線にキックしていれば生まれていないゴール。激しいプレスでボールを奪った原口や決めた井手口を賞賛すると同時に、終盤になってもこだわりを捨てきれなかったオーストラリアの自滅であるということもしっかりと理解しておくべきだ。来年ロシアで行われる本大会で、ここまで勝手に自滅してくれるチームはおそらくないだろう。本大会出場が決まったとはいえ、日本代表もここからさらなる上積みをしていかない限り、2大会振り3度目の決勝トーナメント進出や、その先のベスト8は見えてこない。本大会の厳しさはこれまでの5大会で幾度となく思い知らされてきているはずだ。  結果を求められる試合で最高の結果を残した監督・選手はもちろんすばらしい。ハリルホジッチ監督の取った戦術、それを遂行した選手たちを否定するつもりは全くない。相手の良さを徹底的に潰すハリルホジッチ監督のやり方は、むしろ格上と対戦したときにこそ活きる“本大会向け”の戦い方といえるだろう。その真価が発揮されるのはむしろここからであり、相手に合わせた戦い方の幅が広がっているのは間違いなくプラス材料である。だが同時に、今回の勝利に関しては日本の選手たちの頑張りだけでなく、オーストラリアの稚拙なサッカーに助けられた側面も多分にあるということをきちんと認識しておくべきだ。  アジア予選突破を喜ぶと同時に、我々ファンも客観的に状況を捉える冷静な目を失ってはならない。試合に勝つ=OKではないし、かといってただ闇雲に批判すれば良いというわけでもない。結果に一喜一憂するのではなく、より冷静に内容を見極め、より多くの視点から論じていくことが、この国のサッカーの観戦レベルの上昇、ひいては日本サッカーの底上げに繋がるはずだ。Jリーグ開幕から24年が経過し、サッカー日本代表がW杯に挑むのももう6回目となった。我々メディアもファンも、もう一段上の観戦レベルを目指すときが来ているのではないだろうか。 取材・文/福田 悠 撮影/難波 雄史(本誌)
フリーライターとして雑誌、Webメディアに寄稿。サッカー、フットサル、芸能を中心に執筆する傍ら、MC業もこなす。2020年からABEMA Fリーグ中継(フットサル)の実況も務め、毎シーズン50試合以上を担当。2022年からはJ3·SC相模原のスタジアムMCも務めている。自身もフットサルの現役競技者で、東京都フットサルリーグ1部DREAM futsal parkでゴレイロとしてプレー(@yu_fukuda1129
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