更新日:2022年10月29日 00:54
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罪悪感なく“裏カジノ”にハマる会社員たち「外回りの合間に行くと気分転換になる(笑)」

外回りの合間に裏カジノで気分転換

「会社帰りに先輩と行くことが多いけど、日中も時間があれば外回りの合間に遊んじゃう。短時間でも手っ取り早く楽しめるし、カジノに行くと気分転換になって、その後仕事がはかどるんです(笑)」  一流企業に勤めている人間としてはリスク管理が甘い気もするが、「パチンコや麻雀と似たようなものだし、全然ヤバくないですよ」と本人に罪悪感は微塵もない。  それどころか「いつも行く店は摘発対策でパチンコ屋のような三店方式。店の外で換金するシステムなので、警察が来てもきっと大丈夫!」とドヤ顔で語る始末だ。  一方、機械メーカ―社員の蓮本幹夫さん(仮名・39歳)は、「逮捕されたら会社をクビになる。運良く残れても左遷は免れない」と裏カジノから一度は足を洗った。  ところが昨年、出張で訪れることの多いバンコクでの出来事が彼を変えた。現地駐在の友人に裏カジノに連れて行かれたのだ。彼から「ここは地元の富裕層や外国人向けで摘発されない。日本の駐在員も通っている」と聞かされ、封印していたギャンブラーの血が再び騒いでしまった。 「本当に安全かは知らないけど、本音はずっとカジノがやりたくて仕方がなかった。だから、もう我慢ができませんでした。バンコク出張は2か月に一度ですが、滞在中は寝食を惜しんで毎晩カジノに通っています(笑)」(蓮本さん)  会社員に裏カジノが身近になっている理由は、学生時代から親しんでいるからだという話も。私大3年生の成岡隆明さん(仮名・21歳)が所属するサークルでは、全体の3分の1ほどの会員が、学業そっちのけでインカジにハマっているという。 「裏カジノは基本的に飲食が無料ですよね。都内出身の友人は15歳の頃から1000円だけ握りしめて、食事目当てで歌舞伎町のインカジに通っていたと言います。そいつがあまりにも当たり前のように話すから、みんな興味本位でついて行っちゃうんですよね。自分も何度かその店に行ったことがあるんですが、本当に若い学生しかいませんでした」

世の中を信じられない人がハマる

 店員歴5年のとある裏カジノ従業員は、こうしたハマる客たちを「店側にとっては理想的なカモでしかない」と言い切る。 「業界全体としては客が減って、縮小傾向にあります。だから危機感なくカジノに通ってくれる一般客は本当にありがたい。ヤクザと違って、負けたときに揉めることも少ないですしね」  日常的に裏カジノに通う人が増えたことについて、精神科医の春日武彦氏は「ギャンブル自体が悪ではないので、気軽に楽しめる環境があれば増加するのは仕方がない」と言う。ただそのなかでも、裏カジノに依存する人が後を絶たないことについてはこう分析する。 「カジノでの勝利は、選ばれし者になれたような特別感を人に与えてしまうんです。その体験が強烈すぎて忘れられず、再び得ようとしてハマってしまう。また、地道に物事を行うことに限界を感じてしまったり、現状に対する退屈感や不満を抱えている人ほど、ギャンブルの攻撃性に共感する。現状を打破するための無意識かつ間違った選択肢として、ギャンブルを求めてしまうのです」 ― [裏カジノ]にハマる会社員たち ―
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