ある土曜の夜のグッド・スピリッツ in ピッツバーグ――フミ斎藤のプロレス読本#130[ECW編エピソード22]
午後7時ちょうどにポール・Eが「ドアーズ・オープン(開場だよ)」と声をかけて、新人たちをリングから下ろした。
空っぽになったリングには、こんどはテレビ収録用のタングステン照明があてられた。お客さんが入場してくるとアリーナのなかがにわかにあわただしくなってきた。
気合の入ったマニア層とおぼしき男性ファンのグループがもう“ECWコール”をおっぱじめた。
ビガロの手帳には4月10日、11日=フロリダ、17日=ECWアリーナ、24日、25日=ニュージャージー(日帰り)、5月3日=ジョージア(PPV)、8日、9日=NYエリア(要確認)、15日=ペンシルベニア、16日=ECWアリーナ、とこれから2カ月分のスケジュールと飛行機の便名が書き込まれていた。
ドレッシングルームのドアの内側にいつのまにか“本日のカード”が貼りだされていた。
「あとでビザでも食いにいくか?」
ビガロは鼻歌まじりでバックステージの奥のほうへ消えていった。
※文中敬称略
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文/斎藤文彦
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