恋愛・結婚

旧統一教会の合同結婚式で結ばれた日本人カップル3組を直撃――子供の頃からの揺るぎない信仰はどうして生まれた?

CASE #05■結婚相手というより兄弟に近い感覚


新郎:C・K(26歳・大学生)
新婦:H・M(22歳・教育機関)


 合同結婚式が世間に大きな衝撃を与えたのは、膨大な数のカップルが一斉に結婚するというシステムもさることながら、結婚相手が教祖・文鮮明によって一方的に決められるという点にもあった。しかも、その見知らぬ結婚相手は言葉が通じない外国人という可能性もあるのだ。こうして旧統一教会は数多くの「国際結婚」夫婦を誕生させた。中でも日本人と韓国人のカップル数は圧倒的。現在も韓国在住の日本人の約半数が旧統一教会信者とされ、農村部では日本人主婦を見かけると、そのほとんどが信者と言われている。

 今回、登場してくれた新婦H・Mさんの両親も合同結婚式で結ばれた。こちらは父が日本人で、母が韓国人。生活の拠点は日本だという。家庭での様子を、娘の立場から次のように語る。

H・M:やっぱり大変は大変なんです。私からすると、「よくやっていけるよな」って笑えてくるくらいで。父と母が出会ったのはスマホもない時代だったから、最初なんて辞書をお互いに見せ合いながら会話していたみたいですよ。ちなみに私は韓国語がほとんどしゃべれないんですけどね。母が日本での生活に慣れるため、韓国語を一切使わないようにしていたんです。それに言葉の問題だけじゃなく、文化的な違いも大きい。たとえば親戚への対応とかも全然違いますし。そのへんは韓国ってフランクすぎるくらいフランクで、ズケズケ入ってくる感覚なんですよ。普通の日本人だと、ちょっと戸惑うでしょうね。

C・K:だけどこれもめぐり合わせというか、うちの母親は日韓のハーフが僕の結婚相手としてベストだという考えだったんですね。というのも僕には姉がいるんですけど、この姉っていうのも韓国の方と祝福を受けた(合同結婚式で結ばれた)んです。これは韓国人の特性だと思うんですけど、ものすごく情に深いところがあって、その部分で母は感激していた。ただ、問題は僕が韓国語を全然しゃべれないということ(苦笑)。それで日韓のハーフがいいということになったんですけどね。

──そもそも、なぜ結婚しようと思ったんですか?

H・M:私の場合、親が修練会に参加したかったんですよ。その条件を満たすため、私を祝福のマッチングサイトに載せようということになった。正直言うと、私は祝福に関してよく理解していなかったんですけどね。でも、わからないからこそ、一度とりあえず修練会に出てみようという気持ちになりました。抵抗感ですか? まったくなかったです。親も祝福を受けているし、そういう親を見て育ったわけだから当たり前というか。初めて相手と会ったときも、「結婚する人と対面する」というより、兄弟に会いに行く感覚に近かったかな。

──周りの人には、自分が旧統一教会の信者だと打ち明けている?

C・K:いや、それは難しい。自分はサッカー部だったので、周りの友達も結構イケイケだったんです。そうすると、「あの子、お前のことをいいって言っているみたいだぞ」みたいにそそのかされることもあるわけですよ。だけど僕は「いや、大丈夫」とか答えていて……。教会のことを言っても、絶対に理解してもらえないですからね。そんなことが続くものだから、ついには「あいつはゲイだ」みたいな話になってきた。悲しいというわけじゃないんですよ。一種のネタにもなるし、自分はそれでいいやっていう諦めの境地。言ってしまえば、ピエロです。ただ同性愛者ということでネタにされるのはギリギリOKだけど、統一教会ということをネタにされるのだけは絶対ありえないと思っていた。だから周りには言わなかったんです。

H・M:私の場合、小さい頃から統一教会の信者だということを友達や先生にも伝えてきたので、わりと周りも受け入れてくれていました。学校の先生も理解がある方ばかりでしたね。日曜日に学校の行事があったときなんかは、「教会、行かなくていいのか?」って心配してくれましたし(笑)。ただ、統一教会に対する誤解や偏見があるのも頭では理解はできるんですよ。宗教のことを抜きにしても、たとえば「今、ニュースで流れている世界の問題を全部正確に把握できているのか?」って聞かれたら、私自身、間違って思い込んでいることも多いんはずなんです。「きっと、こうに違いない!」って自分で勝手に判断するということです。だから人間、そういう誤解とか先入観がどこかで生じるのはしょうがないのかもしれない。そのへんは自分自身も気をつけたいですし、家庭連合に対しても世の中が正しい情報を知ってほしいという気持ちは当然ありますけどね。

 二世として産まれてきたために苦労もした。と同時に、普通の人では味わえない幸せや充実感を得た。新郎は、そのようにこれまでの半生を総括する。これから2人の間に子供ができたら、今度は三世ということになるはずだ。「できれば自分たちの子供にも祝福を受けて幸せになってもらいたいですね」と新郎が口にすると、新婦も大きく頷いた。

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「二世」は、いい意味でも悪い意味でも純粋

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