恋愛・結婚

旧統一教会の合同結婚式で結ばれた日本人カップル3組を直撃――子供の頃からの揺るぎない信仰はどうして生まれた?



CASE #06■「二世」は、いい意味でも悪い意味でも純粋


新郎:O・Y(23歳・大学生)
新婦:N・F(24歳・会社員)


 旧統一教会の信者たちと話していて痛感するのは、両親の考えを非常に尊重するという点だ。結婚という制度は、本来、自分とパートナーのためにあるはずだが、中には「両親がOKだというなら、相手は誰でもよかった」と言ってはばからない信者もいる。家庭連合というくらいだから家族を大事にする教義なのは間違いないが、そこには韓国で強い影響を持つ儒教的な思想も垣間見える。

──最初に会ったとき、相手の印象は?

O・Y:悪い感覚は受けなかったです。お互いの両親も一緒にいたけど、うちの父は距離を置いて見守っている感じ。いくら僕が相手を気に入っても、親が「合わないな」と言ったらうまくいかないでしょうから。家庭連合の根本的な考え方として、お父さん・お母さんの考え方とか気持ちが通じ合ってこそ、子供が正しく育っていくというところがある。そこが普通のお見合いと決定的に違うところじゃないでしょうか。

N・F:勘違いしている人も多いみたいですけど、今は昔と違ってマッチングされた相手と強制的に結婚話を進めなくてはいけないということではなく、自分で選ぶことができるんです。実際に会ってみて「いや、ちょっと……」となったら、それ以上は交流しないというのもアリ。本人たちの意志やフィーリングが尊重されるので。あとは親とよく話し合って決めていくという感じですかね。両親の考えはやっぱり大事です。

O・Y:基本的には、親と本人同士が進めていく感じ。教団が間に入って意見を言うことはあまりないですね。

──結婚にあたっては、親の存在が重要みたいですね。

O・Y:実は僕、大学に入るときに二浪したんです。これでプライドがズタズタにされてしまって……。それまで自分は勉強ができるほうだと思っていたし、勉強ができるからこそ周りからも愛されていると思っていたんですね。だから、これで完全に見放されるんじゃないかと失意のどん底に突き落とされた。当時は予備校にも通っていなかったから、ずっと家で勉強していて、ほぼニートみたいな状態。精神的には本当にヨレヨレでした。そんなとき、大きな愛で支えてくれた家族には感謝しかないですよ。

N・F:相手と最初にお話したとき、ご両親から愛されて育ってきたんだなということがすごく伝わってきたんです。それで自分は交流してもいい……というか、交流したいという気持ちになりました。

──二世にとって、合同結婚式に参加するのは当たり前の感覚?

O・Y:僕自身は「このまま行ったら、自分も祝福を受けるんだろうな」って漠然と考えていました。だけど、二世の中には途中で教団からいなくなってしまう人もいる。「全員エスカレーター式」みたいな単純な話ではないんですよ。

──どういうところで、一世との違いを感じる?

O・Y:僕たち二世の世代は、生まれたときから家庭連合の価値観の中で生きてきたわけです。それは簡単に言うと「利他主義」。人に優しくする。人の悪口を言わない。そういったことを小さいうちから教え込まれて生きてきたので、いい意味でも悪い意味でも純粋な気がしますね。ドロドロしたものを見ていないというか。

──旧統一教会の信者ということで、2人の子供も世の中から厳しい目を向けられることもあると思うが。

N・F:まだまだ社会が家庭連合に対して否定的な見方をしていることは十分理解しています。だけど私たち自身が身をもって幸せな家庭を築き、そのことで世間の偏見を解いていけたらと考えているんです。

O・Y:だからこそ、今よりもっと本質的な「ために生きる」人生を築きたい。自分の周りだったり、地域だったり、社会だったり……。家族で一致団結して、世の中や地域社会に貢献していきたいです。

 「真面目一徹」といった調子の新郎と、幸福な家庭を築こうと燃える新婦。まだ若いのに地に足がついた生き方を貫く2人は、「信仰」という絶対的な拠り所を軸に、未来への扉を開けようとしていた。

〈取材・文・撮影/日刊SPA!取材班〉

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