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LGBT差別をなくすため「ミュージカル」を立ち上げた30人の男たち――女装小説家・仙田学

 女装姿の男性30人が集まって、ミュージカル劇団を立ち上げた。その名も「女装子歌劇団」。1月6日からは第1回目の公演が行われる。
女装子歌劇団01

※画像は公式サイトより

 劇団員はどんなメンバーがいるの? 公演の内容は? 「日刊SPA!」で女装男子の連載をしている僕にとって、この劇団への興味は尽きない。  そこで、「女装子歌劇団」リーダーの、くりこさんにお話を伺うことにした。

きっかけは友人のひと言だった

 くりこさんは、新宿二丁目の女装サロンバー「女の子クラブ」のママでもあり、この連載で以前にもインタビューをしたことがある。 「『女装子歌劇団』」のプロジェクトが動きだしたのは、2016年の暮れでした。友人の女優、マーガレット・イゴールルームさんのひと言が始まりだったんですよ。『前にセクシャルマイノリティの人たちを集めて芝居をしたら、すごくウケたことがある』って。『楽しかったからまたやりたい』って」(くりこさん)
女装子歌劇団02

リーダーのくりこさん

 意気投合した2人はメンバーを探すことに。マーガレットさんも、唯一の「女優」として女装子歌劇団に加わることになった。当時の苦労をくりこさんはこう振り返る。 「友達や知り合いに、声をかけ続けました。いつの間にか30人もメンバーが集まっていて。私は成り行き上、リーダーになりました。『女の子クラブ』のスタッフやお客さんたちだけじゃなくて、劇団員たちのまとめ役も兼任するようになってから、強く思うようになりました。LGBTに限らず、すべての少数者が生きやすい社会を作りたいって」  いつしか、くりこさんの中で女装子歌劇団の理念は定まっていった。その意味で、公演を観てほしいのは、まずLGBTに限らず自分は少数者であると思っている人々。つまり、生きづらさを抱えているすべての人という。 「20~30代の女性たちにも観てほしいです。J-Popのヒット曲が大好き、でもテレビにもネットもつまんない。何か面白いことはないかなって探している女性たちは、面白がってくれると思います」  そして、芝居を観終わった後には、想像もしていなかった世界が広がっている。そんな経験をしてもらえればというのが、くりこさんの願いだ。 「芝居とかミュージカルっていうより、音楽と芝居が完全融合したエンターテインメントを目指しています。芝居は演目を見せるものじゃないですか。でも、女装子歌劇団が見せたいのは『人』。ライブに行く人がバンドメンバーに会えるのを楽しみにするみたいに、演目以上にメンバーたちに興味を持ってもらいたいんですよね」
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女装メンバーには公務員や医者なども
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※女装子歌劇団の公演の詳細はこちら
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