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投資家目線で38万円の中古セルシオと1000万円のアストンマーチンを乗り比べてみた

◆大きく違う点 【保険料】  アストンマーチンはどんなに安い中古でも1000万円超えというように、車両保険を賭けたほうが良いクルマ。一方、私のセルシオは購入価格が38万円であるため、車両保険とは無縁。そのため、1000万円分の車両保険がかかるラピードの保険料と、年間2万6000円程度の車両保険なしの任意保険のみのセルシオの保険料では、圧倒的に違うといえるでしょう。とはいえ、ラピードも車両保険なしの任意保険のみとした場合、セルシオに近い保険料で済むと思います。

アストンマーチンのキーにはサファイアクリスタルガラスがあしらわれているが、落として割れると30万円するらしい

【年間維持費】 上記の保険料も含まれることですが、友人はラピードを買う際に「年間200万~300万円ぐらいかかると思ってください」と言われたとのこと。一方、私のセルシオの維持費は保険料、自動車税、1年分の車検代を併せて年間16万円程度。ラピードの10分の1以下の維持費です。 【後席快適性】  ラピードの後席には専用モニターや豪華なスイッチ付きのセンターコンソールなどがあるため、写真で見ると快適そうに見えます。しかし実際、後席はとても狭く、4人乗車で30分以上乗るには辛い空間です。ラピードは4ドアですが、快適に乗るためには2名が限界で、セダンの意味がないという感じ。一方セルシオの後席は広く、4名乗車でも快適に東京名古屋往復をこなせると思います。

ラピードの2+2の後席にはモニターや各種スイッチがあり、見た目は豪華。しかしクーペ並に狭く長時間の4人移動は現実的でない

【色っぽさ】  両者が並んだ写真を見比べてみて明白なのですが、ラピードはセルシオより色っぽく、とても格好良く見えます。仮に、各要素においてラピードがセルシオより劣っていたとしても、それを超越する魅力があるといえるでしょう。ただ、日常用途としてアストンマーチンは使い勝手が良いとはいえず、いざ所有してみると乗る機会が無くて「手に入れる前のほうが輝いて見えた」なんてことになるかもしれません。  どんなに安くても1000万円以上というアストンマーチン・ラピードと、38万円で購入したセルシオ。両者は、購入価格が962万円以上、年間維持費が184万円以上も異なるため、明らかに違う存在です。しかし、各要素を比べてみるとその価格ほど大きな差があるわけでもないのが面白い点。  私は小学校の時からアストンマーチンに憧れていましたが、これまで一度も運転したことがありませんでした。今回の友人のラピードが初めて運転したアストンでした。そのため、アストンマーチンに乗ったらセルシオの魅力が半減すると思ったのですが、意外にも「実はセルシオは凄い車である」という感想になったのです。仮にセルシオと軽自動車を比較した場合、加速性能、動力性能、快適さ全てが誰の目にも明らかなほど大きく違うでしょう。

アストンマーチンに意外とセルシオが負けていない。ただ、革の使い方はイギリス車であるアストンマーチンのほうが流石というレベル

 この結果を見て明らかなのは、クルマにはセルシオのように「安くて快適」という“最適解”があるということ。考えて消費すると“実はお得”ということが世の中には意外とあるのです。
1986年生まれ。日本初の腕時計投資家として、「腕時計投資新聞」で執筆。母方の祖父はチャコット創業者、父は医者という裕福な家庭に生まれるが幼少期に両親が離婚。中学1年生の頃より、企業のホームページ作成業務を個人で請負い収入を得る。それを元手に高級腕時計を購入。その頃、買った値段より高く売る腕時計投資を考案し、時計の売買で資金を増やしていく。高校卒業後は就職、5年間の社会人経験を経てから筑波大学情報学群情報メディア創成学類に入学。お金を使わず贅沢する「ドケチ快適」のプロ。腕時計は買った値段より高く売却、ロールスロイスは実質10万円で購入。著書に『腕時計投資のすすめ』(イカロス出版)と『もう新品は買うな!』がある

もう新品は買うな!もう新品は買うな!

もう大量消費、大量生産で無駄遣いをするのはやめよう

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