雑学

「キャバクラで嫌われるお客様」を私が大事にする理由――歌舞伎町・10億円女社長



普通の営業メールにも好意的な返信が


 最初は気乗りしなかったのですが、それからはキャバクラ嬢に嫌われるお客様に絞って営業をすることにしました。例えば以下のように。

・お金を遣うのを渋りまくるお客様には、渋る態度を肯定的な姿勢で見守る
・説教やモラハラをしてくるお客様には「そういう考え方もあるね」と肯定的な発言をする
・オサワリが激しいお客様には、両手をつないで押さえておきながら接客する
・ガツガツと口説いてくるお客様は、ニコニコして延々のらりくらりする
・酒乱のお客様には、赤ちゃんに接するように接客する

 あるいは、

・精神不安を訴えつづけて、1日50回以上の着信と100通以上の連絡を入れてくるお客様でも関係を絶たず、電話の通知音をその方だけ音も鳴らないようにして、私自身がそこに気をとられすぎずに生活できるようにしながら適当に自分のペースで連絡する

 といった感じです。すると、意外なことが起こったのです。

 以前のように、キャバクラで好かれるお客様に当たり前のようにやっていた定期的な連絡や「昨日はご馳走さまでした」というお礼の連絡、「ごはんを食べましょう」という同伴のお誘いなどを、お店で嫌われているお客様にすると大変嬉しそうな反応が返ってきたのです。

「俺なんか相手にしてもメリットないのに」、「こんな俺とごはんに行ってくれるの?」、「もうとっくに見捨てられたと思っていたけどまだ連絡くれるんだね」と。

 これには、私も嬉しくなりました。こんなことで喜んでくれるなら、お客様にもっと喜んでもらえるように仕事を頑張ろうと思いました。この頃から、仕事がすごく楽しくなっていったのです。

王道で勝負できる才能を持った人と戦わない


 嫌われているお客様はその後「こんな俺のことを、ずっとよくしてくれたから、もっといいお客さんを紹介するね」と言って、彼の取引先、上司などたくさんのお客様を次々と紹介してくれました。

 嫌われているお客様のおかげで、瞬く間にその店でナンバーワンになることができました。その後も私は「“嫌われているお客様”を大切にして、“好かれるお客様”は、特別な才能を持っている別の女の子にお願いする」という方針を打ち立て、今日までやってきました。

 王道で勝負できる才能を持った人は、王道のお客様を勝ち取ればいいと思います。けれど、特別なんの才能もない私のようなタイプの人は、邪道、つまり「誰もが尻込みしていかないところ」を攻めてみるのが、営業の極意です。<文/内野彩華>

【内野彩華】
新宿歌舞伎町キャバクラ「アップスグループ」オーナー。株式会社アップス代表取締役社長。津田塾大学卒業。25歳のとき、当時勤めていた外資系IT企業をやめて、歌舞伎町にキャバクラを開業。現在、歌舞伎町にキャバクラを4店舗、銀座にクラブを2店舗展開するまでに。キャバ嬢の育成やキャバクラの立ち上げ、経営改善のコンサルティングなども行い、グループ年商は10億円にもおよぶ

新宿歌舞伎町キャバクラ「アップスグループ」オーナー。株式会社アップス代表取締役社長。津田塾大学卒業。25歳のとき、当時勤めていた外資系IT企業をやめて、歌舞伎町にキャバクラを開業。現在、歌舞伎町にキャバクラを4店舗、銀座にクラブを2店舗展開するまでに。キャバ嬢の育成やキャバクラの立ち上げ、経営改善のコンサルティングなども行い、グループ年商は10億円にもおよぶ
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