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起業家「ミスiD」栄藤仁美の仕事術――何気ない日常会話から何かを生み出していく

栄藤仁美

「能力が高くて売れてる人ほど、コミュニケーションに気を使っている」

――前編で語っていた、東京ガールズコレクションで、若い女の子向けに安くて、利幅が少ない商品で訴求することで、将来のファンを育てるのも、その振る舞いのひとつですね。 栄藤:そうですね。バーを開いたときにも、その場で多くお支払いただくよりも、「お店にまた来たい」と思っていただくことを目標としていたんです。1日で数十万円払っていただくことよりも、毎週来たいと思ってもらえるように、何ができるかを考える。そういった姿勢が重要だ、ということを学ばせていただいたんだと思います。 ――そういった心構えを含めて「コミュニケーション能力」というわけですね。上司や取引先の偉い人など、エグゼクティブとコミュニケーションを取る際に、心がけるべきことはありますか? 栄藤:自分から、あえて懐にツッコんで行くことだと思います。どんな偉い人でも同じ人間なので、こっちが「偉い人だから……」「怒られたらイヤだな」って距離を空けちゃうと、相手も同じだけ距離を空けてくるんですよ。  気軽に話してみれば、実は周りがイエスマンばっかりの場合もあって、わりと歓迎されることが多いと思います。名刺なんて、たくさんもらうから、印象に残るかどうかが勝負。  そんな突飛なことを言う必要はなくて、「若いのに元気」とか、そんなことでもいいと思うんです。「ああ、あの面白かった子か」「また会ってもいいかな」って思われたらラッキー、くらいの感じでいいと思います。 ――仕事で会った人のなかで、コミュニケーション能力が高いと感じた人はいますか? 栄藤:「東京ガールズコレクション」でお会いした、モデルの土屋アンナさんは、スゴいと思いましたね。ものすごいサバサバしながらも、気を遣う丁寧な方で。一見、そんなイメージがなかったので、ギャップ感って大事だなと思いました。  実業界では、元LINE社長の森川亮さん。本当にきさくで、お会いして驚きました。最初お名刺をいただいたとき驚きました。あと元ピーチ・ジョンの野口美佳さん。野口さんはなにをしても女前。かっこよすぎて今も憧れです。やっぱり、コミュニケーションって入りが重要なので、偉そうにしちゃうと、人との距離が空いちゃう。  アイドル・モデルだけじゃなくて、伝統芸や実業界でも、能力が高くて売れてる人ほど、コミュニケーションに気を遣っていらっしゃるという点は共通していると思います。 ――しかし、名前を出せない人がほとんどですが、幼少期からすごい人とばかり触れ合ってきたようで、驚きです。 栄藤:よく考えたら、そうかもしれませんね。昔から、身近なお兄さんが(片岡)孝太郎さんや愛之助さんで、将来のことを含めていろんな相談をしてました。もっと小さい頃には現・中村芝翫さんであったり。  ほかにも、よく楽屋に遊びにいってお菓子をねだっていたのが、そういえば人間国宝だった、みたいな(笑)。恵まれた環境だったと思います。
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