そして、早期退職の最大のリスクは、無職の状態で次の就職先を探し始めることだと続ける。 「中年無職の転職は、募集先の採用担当からのウケは悪い。また、年収2年分以上の退職金が出たなら説得力もあるが、少額の退職金で退職した場合は『計画性がない人』と見なされる可能性が高いです。その後の目星がついてないなら、焦って行動せず、会社に残るのが一番。早期退職者にきちんと割増退職金を払えるのは、まだ会社に体力のある証拠ですから」 　募集がかかってから考えはじめるのでは遅い。いついかなるタイミングで選択を迫られても最適の答えを出せる準備が必要なのだ。 ＜割増退職金の相場は？＞ ・千趣会（’17年） 希望退職者134人　推定平均割増退職金1119万円 従業員数1953　平均年収646万円 ・大日本住友製薬（’16年） 希望退職者295人　推定平均割増退職金3153万円 従業員数6548人　平均年収852万円 ・あいおいニッセイ同和損害保険（’15年） 希望退職者440人　推定平均割増退職金2570万円 従業員数4万1438人　平均年収1138万円 ・日立化成（’14年） 希望退職者1248人　推定平均割増退職金1042万円 従業員数2万2344人　平均年収732万円 ・シチズン時計（’13年） 希望退職者870人　推定平均割増退職金2300万円 従業員数1万6216人　平均年収680万円 ・ルネサスエレクトロニクス（’12年） 希望退職者7511人　推定平均割増退職金1132万円 従業員数2万502人　平均年収716万円 ・NEC（’12年） 希望退職者2393人　推定平均割増退職金1365万円 従業員数2万1444人　平均年収804万円 ※「推定平均割増退職金」は特別損失額を希望退職者数で割ることで算出。参考の従業員数と平均年収は’18年2月のデータ 【中沢光昭】 リストラ請負人。企業再生をメインに経営者としても業績低迷・破綻企業の再生を手掛ける。著書に『好景気だからあなたはクビになる！』がある ＜取材・文／週刊SPA！編集部＞ ※週刊SPA！3月6日号［定年まで逃げ切れる人逃げ切れない人の分岐点］特集より