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YOSHIKI×影山ヒロノブ&きただにひろしが夢の共演! アニソンとヴィジュアル系のレジェンドによる歴史的対談の意義とは?

X JAPANもアニソンを手掛けていた!

 というわけで、対談ではまず間違いなく、X JAPANとその周辺アーティストが手がけたアニソンの話題も出るだろう。  X JAPANは、「Forever Love」(1996年)と、「Scarlet Love Song」(2011年)の2曲がアニソンとして使用されている。  「Forever Love」は、CLAMPによるマンガを原作とした劇場用アニメ『X』(1996年)に使用された。本楽曲の歌詞は、同アニメの絵コンテを読んで作詞されている。そしてもう一曲「Scarlet Love Song」は、劇場用アニメ『手塚治虫のブッダ――赤い砂漠よ! 美しく――』(2011年)主題歌に使用されている。  X JAPANの楽曲は、インディーズ時代からアニソンっぽいと揶揄されてきた。例えば、インディーズで発表された2ndシングル「オルガスム」B面①「X」は、『ロッキンf』(1986年8月号)で、「TVのアニメの主題歌とカン違いしてしまいそうな冗談っぽさがある」と評されている。同楽曲は、現在に至るまでライヴのトリで演奏されるX JAPANの代表曲の一つだ。  しかし意外なことに、アニソンと揶揄されたX JAPANの歌謡スピードメタル路線の楽曲が、実際にアニソンに使用された例はない。  X JAPANメンバーによるアニソンに使用されたソロ楽曲も見てみよう。Toshlは、TOSHI with Night Hawks名義「Breath of Fire」(1993年)が、スーパーファミコン用ゲームソフト『ブレス オブ ファイア 竜の戦士』CMソングに使用されている。  原曲は、NIGHT HAWKSのベスト・アルバム『THE MIDNIGHT HAWKS』に収録。また、Toshl(TOSHI)の3枚目のシングル「PARADISE」に、カップリング曲として、タイトルと歌詞違いのヴァージョンの「RUNNING WILD」が収録されている。  そしてHEATH<b>は、「迷宮のラヴァーズ」(1996年)が、『名探偵コナン』EDテーマとして使用されている。  さらに、YOSHIKIが作詞・作曲し、GLAYが歌った「RAIN」(1994年)が、TVアニメ『ヤマトタケル』(1994年)EDテーマに使用されている。

アニソンを手掛けていたV系バンドたち

 オタクとV系の共通点は、ゴスロリファッションだけではない。実際に、90年代は、アニソンにV系バンドが起用されるケースが多かった。SUGIZOは、LUNA SEAにていくつかのアニソンおよびゲームソングをやっているが、数が多いので割愛させていただく。また、GLAYのほかZI:KILLやmedia youthなど、YOSHIKIが設立したエクスタシー・レコード所属および出身アーティストも、多くのアニソンを手がけている。  アニソンを任されるということは、V系ファンのみならず一般ユーザーにまで聴かれるということであり、真の意味でのメジャーバンドに見られるという意味を持つ。その意味でアニソンは、V系の勃興・定着に貢献したと言えよう。オタクとV系のファンが重なる傾向は、V系黎明期の歴史によるところが大きい。
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今後X JAPANにぜひ手がけてほしいアニソンは?
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※拙著『ジャパメタの逆襲』は、今まで誰も語らなかったアニソン×ジャパメタ×V系(その他同人メタル、嬢メタル、ラウド系アイドルも)のクロスオーヴァ―について詳しく論じているので、興味ある方はぜひ手に取っていただきたい。

ジャパメタの逆襲

LOUDNESS、X JAPAN、BABYMETAL、アニメソング……今や世界が熱狂するジャパニーズメタル! !  長らくジャパニーズメタルは、洋楽よりも「劣る」ものと見られていた。 国内では無視され、メタル・カーストでも最下層に押し込められてきた。メディアでは語られてこなかった暗黒の時代から現在の世界的ブームまでを論じる、初のジャパメタ文化論。★ジャパメタのレジェンド=影山ヒロノブ氏(アニソンシンガー)の特別インタビューを掲載!

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