雑学

“行方不明説”も流れた旧統一教会の日本人花嫁たちがソウル郊外にいた

 その日出会った見知らぬ男性と結婚をする――。

 旧統一教会(現・家庭連合)の大きな特徴である合同結婚式がセンセーショナルに取り上げられたのは1992年のことだった。有名芸能人や元オリンピック選手も参加し、マスコミの報道も過熱。あれから30年近く経とうとしているが、あのとき結婚した夫婦は今、どんな生活をしているのだろうか。特に「韓日カップル」。つまり、韓国人の男性と式をあげ、海を渡った日本人の花嫁たちの消息はほとんど知られていない。

 当時、高額な霊感商法などの問題と相まって、“ヤバい宗教”というレッテルが貼られた旧統一教会。今でも様々な憶測が飛び交う。ネットで検索すると、旧統一教会で結婚をした花嫁たちは「行方不明になった」「農村の男と結婚を強いられ強制労働させられている」とも書かれている。しかし、それを自分の目で確かめたという人は少ないだろう。

 果たして、その真偽とはいかなるものだろうか。韓国の北東部にある洪川(ホンチョン)という街に、韓国人の夫に嫁いだ日本人女性信者たちが集まる教会があるらしい。その情報を手掛かりに、我々は韓国に飛んだ。

家庭連合

韓国で行方不明と言われた日本人花嫁たちの現在を追う


 ソウル市内の江辺(カンビョン)駅にある東ソウル総合ターミナルから高速バスに揺られ、1時間ほどすると、洪水(ホンチョン)に着いた。近くに軍の訓練所があるのだろう。ソウルよりも軍服を着た男性がはるかに多く、ガールフレンドと思しき女性と手をつないで歩いているのが微笑ましい。

家庭連合 そこからタクシーに乗って10分ほどすると、我々が目指す旧統一教会の洪川家庭教会にたどり着いた。アルファベットの“A”を象ったような教会が、際立って見える。もっとも、旧統一教会の中でも、Aタイプと呼ばれるこの建築物はかなり古いもので、地方にしか残っていないものだという。

家庭連合 事前にアポイントの連絡を入れていたとはいえ、緊張しないわけではない。おずおずとドアを押し、側にいた女性にたどたどしい韓国語で「アニョハセヨ」と挨拶をすると、その女性は一瞬目を丸くし、それからパァッと目を輝かせて「もしかして日本人の方ですか?」と日本語で話しかけてきた。

「教会の人以外で日本人に会うなんて何年ぶりかしら」

 その女性の声に気づいた他の日本人女性たちも駆け寄ってくる。普段は日本人同士でさえ韓国語で話すことも多いというが、我々のために日本語だけでの会話となる。

「ここは日本みたいね」

 彼女たちは口々にそう言って、うれしそうに目を細めていた。

家庭連合 到着したのは礼拝が始まる直前だったため、ひとまず礼拝に参加させてもらうことになった。韓国の旧統一教会では毎週日曜日の午前中に礼拝が行われ、その後、各家庭が料理を持ち寄って昼食をともにする。

家庭連合 その日、教会に礼拝に来ていた信者50名ほどのうち、フィリピン人などもいるが、10名以上が日本人女性だった。確かに、ここは日本なのではないかと錯覚しそうなほどである。

次のページ 
日本人花嫁10人に聞いた、意外な現実

1
2





おすすめ記事