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元巨人・柿沢だけじゃない“職場窃盗”のセコい手口。メルカリ、金券屋に転売…

タレントのサインを転売する芸能マネージャー

 元プロ野球選手の柿沢容疑者は調べに対して「生活に困窮していた」と供述している。同様の理由から窃盗に手を染める人もいる。数年前、都内の芸能事務所でマネージャーをしていた田中さん(仮名・30代)が悪びれる様子もなくこう話す。 「仕事は激務な割に薄給。そのくせ、お付き合いの飲み会やパーティも多く、とにかくカネに困っていた。そこで、所属タレントのサインをネットで転売することを思いつきました。ことあるごとにサインを書かせて、そのうちの数枚をくすねる。まあ、サインなんて売れても千円とかたかが知れていますが、元手がいらないぶん小遣いにはなっていましたね」

Theft.

 とはいえ、バレそうになったこともあるという。 「別のマネージャーがネットで売られていることに気づいて『うちの所属タレントのサインが大量に売られている!』と騒いでいたのですが、僕は『心ないファンがいるものですね』とファンのせいにしてごまかしました(笑)」  せっかく書いたサインがファンのためではなく、マネージャーの私腹を肥やすためだとしたら、タレントも報われないだろう。結局、田中さんは別件で不祥事を起こし、クビになった。

消えたハイブランドの洋服の行方は…

 ファッション雑誌の編集部に勤めていた加藤さん(仮名・30代)は、「読者プレゼント」のコーナーを担当していた。アパレルメーカーから新作やサンプル商品を集め、アンケートに答えてくれた読者に送るわけだが、どういうわけか現物が保管場所から消えていた。 「その号で目玉のプレゼントになっていたハイブランドのアイテムがいくら探してもないんです。編集部員、スタイリスト、モデル……まさか、だれかが盗んだのではないかと一同騒然となりましたね」 泥棒 加藤さんの出版社は、深夜でも外注スタッフや人が出入りしているような状態。とはいえ、編集長から「お前の管理が甘いんだ」と加藤さんに矛先が向きかけたときだった。 「あれ、なにかあったの?」  ……と眠そうな目をこすりながら現れたのは、先輩編集者のMさん。どうやら徹夜明けらしい。常に会社で寝泊まりしているスタッフも珍しくないが、注目すべきはその服装。 「Mさんがプレゼント用の洋服を寝まき代わりに着ていたんです。数万円もするハイブランドのアイテムなのに(笑)」  どうやら放出品(※サンプルや廃棄品などで編集部に提供されたもの)と勘違いしたらしい。窃盗ではなかったが、ファッション雑誌の編集部員にも関わらず、物の価値がわからないのかとその場の全員が呆れ返ったそうだ……。
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被害が億単位の社内窃盗も…
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