恋愛・結婚

男は妻子を捨てられるか?愛人と暮らそうとした男の決断

妻に不倫を打ち明け、家を出る準備を始める

 愛人のおかげで、「常に自分の成長を図るべき」と初心に戻った香川さんは、全てを失ってもいいから、愛人と一緒になりたいと思うようになったという。 「妻に全てを打ち明けました。最初の一店舗だけ自分名義にして、家も他のサロンも全部妻に差し出すと約束しました。彼女には、『店一軒しかないけど、一緒に暮らしたい』と話すと、『奥さんやお子さんは大丈夫なの』と気遣ってくれて。全てをクリアーしてから、家を出る準備を始めました」 不倫 荷物は衣類と本だけだった。本を宅配会社に預けるために玄関を出た時に、玄関のシューズ入れにある雑巾を取った。するとシューズ箱の奥底から、野球のボールがコロコロっと転がって出てきた。長男とキャッチボールしたボールだった。黒ずんでいるのは、長男が熱心に投球練習をしたからだ。  懐かしさがこみ上げてきたが、愛人が愛おしくて子供に対する気持ちを拭い去ろうとした。

娘を見た瞬間、胸がしめつけられ…

 その時だった、小学生の長女が「忘れ物をした」と家に戻ってきたのだ。  長女は無邪気に、「お父さん、重い荷物だね。どこに運ぶの」と聞いてきた。香川さんが「宅急便のおじちゃんに預けるんだ」と答えると、「お父さん、どこかに行くの」とまた無邪気に言う。香川さんの胸がきゅうっと締め付けられるような感覚になった。 「家族の誰にも言わないで、こっそり家を出ようとしたんですが、長女の顔を見た途端に、『オレはなんて酷いやつなんだろう』とハッとなったんです。長女を抱き上げると、当たり前ですが、赤ん坊の頃より重い。『大きくなったなあ』と言うと、『お父さん離して』と嫌がって走って自分の部屋に忘れ物を取りに行ったんです。子供の成長を見届けたいという父親の思いがこみ上げてきました」  香川さんは愛人と別れ、離婚も思い留まった。「全て子供のため」と理由を告げると、愛人はわかってくれた。だが、それ以降は、妻が香川さんの携帯を毎晩チェックするようになった。Facebookに妻が友達申請をし、SNSも妻が管理している。  SNSが発達しても、自分は一生プライベートがないと香川さんは呟いた。<取材・文/夏目かをる> ― ダメ。絶対。恐怖の不倫体験! ―
コラムニスト、作家。2万人のワーキングウーマン取材をもとに恋愛&婚活&結婚をテーマに執筆。難病克服後に医療ライターとしても活動。ブログ「恋するブログ☆~恋、のような気分で♪
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