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セクハラ・パワハラは「部下への愛だ」…ブラック上司たちの身勝手な言い分

パワハラ

パワハラ発言も部下への「愛だ」

 お次は、パワハラを「愛だ」と言い切る管理職の女性(50代)。 「多少口は悪いかもしれないけど、最近の若い子は『根性がない』とか『まったく会社の戦力になってない』とか思わず言っちゃうことはあるけど、本心でないことは“普通”わかるでしょう。私は、上司として部下にこうなってほしいとか、こうするべきなど、自分の経験をもとにアドバイスしているだけで、それはいわば“愛”なんです。それをパワハラだセクハラだって、だから日本は弱体化するし、将来は真っ暗じゃないの」  こちらも価値観の押し付けにほかならないが、本人は一顧だにしない。それどころか、自分が正しいと開き直り、「いまの世の中がおかしい」と逆ギレまでして見せる始末。  要するに、他人のことがまったく見えていないのだ。部下に毒を差し出しておきながら「愛」と言ってみたところで、部下にとっても世間的にもそれは「毒」でしかない。だが、この上司はそれを理解しようともしないのだ……。  あなたの周りにもこうした人々が存在するだろうし、ほかならぬ読者自身にも思い当たることはないか。今回紹介した部下から訴えられてしまったケースも独りよがりで自分勝手な価値観が招いた結果である。  相手(部下)がどう感じているのか。もしも“気づき”がなければ、いつの間にかあなたはセクハラやパワハラの加害者になっているのかもしれない。<取材・文/伊原忠夫> ― 本当に実在した! 隣のブラック上司たち ―
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