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渡辺謙、武井咲…「ハズキルーペ」CMが次々と大物を起用する謎。その仕掛人とは?

かつてはゲイラカイトや高性能紙飛行機を販売していた

 Hazuki Companyの前身は、かつて大阪に存在した株式会社A・G(以下、A・G)という企業だ。  A・Gの設立年は1976年。玩具や生活日用品の企画、開発及び輸入製造卸業を行っており、斬新かつユニークなデザインで話題となった洋凧「ゲイラカイト」や、高性能紙飛行機「ホワイトウイングス」といったヒット商品を発売している。

ゲイラカイト

 2004年にはA・Gの親会社にあたる安治川鉄工株式会社と、大手玩具メーカー・株式会社タカラ(以下、タカラ)との間で「株式譲渡契約」が結ばれてタカラの100%子会社となる。続いて2006年にはタカラが、同じ玩具メーカーの株式会社トミーと合併したことで新会社の株式会社タカラトミーの傘下となる。  その後、2007年にはプリヴェ企業再生グループ株式会社に買収され、A・Gは社名を改め、プリヴェAG株式会社(以下、プリヴェAG)となる。

プリヴェ企業再生グループの松村会長があのCMの仕掛人

 このA・Gを買収したプリヴェ企業再生グループ株式会社は、日産自動車や東武鉄道、富士通といった大手企業の関連会社を買収してグループを形成することで成長してきた企業で、同社のCEOこそがハズキルーペのテレビCM戦略を指揮したCMHazuki Companyの松村謙三会長なのだ。  そもそもプリヴェ企業再生グループはどんな企業なのか? 金融業界関係者からはこんな評価の声が聞こえる。 「CEOの松村謙三氏は、1980年代から1990年代に元ソロモンスミスバーニー証券に在籍し、世界最先端のトレーダーとして活躍した人物。その後、プリヴェ企業再生グループの元となる会社を設立し、これまで50社以上もの企業の買収・事業再生を手がけてきた実業家です。JASDAQに上場していたプリヴェ企業再生グループは2012年に上場廃止になりましたが、その間、松村氏は日産自動車から静岡日産と三河日産を買収、富士通から神田通信工業を買収したことなどで名を上げました。  そして、タカラトミーから買収した5社のなかの1社がHazuki Companyの前身A・Gだったのです。このプリヴェ企業再生グループがすごいのは、買収したグループ企業を最大限活用している点でしょう。製造業の金型は買収した神田通信工業のエンジニアが中心になって製造ラインを新設。物流は、東武鉄道から買収したプリヴェ運輸が担当しています。単に安く買い叩いて、厳しいリストラをして再建し、高く売るだけの企業再生ファンドとは一味違うのです」

プリヴェ企業再生グループの株式は、松村謙三氏と同氏の資産管理会社で100%保有している

 プリヴェAGは旧A・G時代から生活日用品も手がけており、高齢者向けのペアルーペも製造販売してきた。この商品に目をつけた松村会長は、同じく子会社であり光学機器分野で高い技術力を誇る神田通信工業株式会社に新たな製造ラインを設ける。そこでレンズ・フレームの設計を一新し、新たに自社ブランドで売り出したのが現在のハズキルーペなのだ。  このように見ていくとハズキルーペは、たび重なるM&A(合併・買収)によって生み出された商品でありブランドだと言える。その後、昨年9月にプリヴェAGは社名を現在のHazuki Companyに変更した。ハズキルーペを前面に打ち出す方針がここからも伺い知れる。 <文/串守シャモ>
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