更新日:2018年12月14日 22:04
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「大人の発達障害」に反響。まさか自分も?…悩むグレーゾーンの人たち

「隠れ発達障害」の人は自分を客観的に見られる

 現在、専門外来には診断を希望する人が殺到しており、各所で予約待ちの状況が続いている。「グレーゾーンも含めると、かなりの潜在数がいる」と、吉濱氏も分析する。
大人の発達障害

世の中にはグレーゾーンのほうが多い

「最近はメディアでもよく報道されるので、『自分も発達障害かも』と思う人が専門外来に殺到していますが、それは世の中に軽度の発達障害である『グレーゾーン』の人が多いからこそ起こる現象です。重いASDの場合はメタ認知(客観視)に欠けるため、仕事でミスをしても自分がおかしいことに気づけない人が多い。一方、グレーゾーンの人たちは客観視できるので自分を疑い、これほど敏感になる人が増えているのでしょう」  ただし、そういった特性が一つ当てはまったからといって「自分は発達障害だと思い込むのは禁物」と、吉濱氏は続ける。 「例えば、自分の子供がLDだと思っていたら視覚機能の問題でうまく集中力が続かず、学習障害のような症状が表れていたというケースもあります。なので発達障害のチェックリストで複数当てはまったなら、『傾向があるのかも?』くらいに疑うべきです。もし本当に調べたいのならば、専門外来を受診すると生育歴、親族に似たような特徴を持つ人はいないか、WAIS-Ⅲ(ウェイス・スリー)という知能検査など、症状を細かく調べてもらえます。そこまでやってから本当に発達障害か否かを判断しないといけません」 【姫野桂】フリーライター ’87年生まれ。著書に『私たちは生きづらさを抱えている 発達障害じゃない人に伝えたい当事者の本音』(イースト・プレス) 【吉濱ツトム】発達障害カウンセラー 当事者でありカウンセラー。今まで約2000人の当事者と面談。著書に『隠れ発達障害という才能を活かす逆転の成功法則』(徳間書店) ― 大人の発達障害診断リスト ―
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発達障害グレーゾーン

徹底した当事者取材! 発達障害“ブーム"の裏で生まれる「グレーゾーン」に迫る


■姫野桂氏の新刊発売記念イベントが開催!
12月20日に姫野氏の新著『発達障害グレーゾーン』の発売記念イベントが開催される。特別協力として関わった「OMgray事務局」のオム氏、株式会社LITELICOの鈴木悠平氏を招き、3人が「発達障害っぽさを抱えて生きる方法」についてトークする。

【日時】12月20日(木)19時開演(18時45分開場)
【場所】神保町「書泉グランデ」7Fイベントスペース
【参加方法】姫野桂 著「発達障害グレーゾーン」(820円・税別)を1Fでご購入いただいた方に、参加券を配布(定員50名)
【予約】電話(03-3295-0011)・メール(grande@shosen.co.jp)で予約可能
*詳しくは書泉グランデHPで(https://www.shosen.co.jp/event/89535/