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大本萌景さんの自殺は氷山の一角!? 地方アイドルの悲惨な実情、当事者たちの証言続出

地方のアイドル事務所は見極めが難しい

 一方で、親の意見も聞いてみたい。自分の娘が地方アイドルをしていたCさん(48歳) は言う。 「私の娘は、結局2年ほど活動してから脱退しましたが、活動期間に支払われたギャラは10万円にも満たなかったと思います。毎月5000円もらえたら良いほうでしたね。それよりも、交通費や衣装代、ライブの飲み物代やご飯代などが全て実費だったんです。親としては苦しい部分もありました。もうちょっとギャラを上げてもらえないか社長に打診したところ逆上されて……。たとえば、東京の大手事務所ならレッスン代がもっとかかるし、すぐにステージには上がれないだろう、と。うちの娘のルックスでも所属させてやってんだからって。だから、娘には本気でやりたいなら東京の有名な事務所を探そうって説得して辞めさせましたね」  本来、アイドルは職業だ。フリーランスであれば衣装の実費・CD制作費用・交通費を自己負担するのは仕方がない。とはいえ、地方だろうと事務所に所属させ、稼働させたのであれば、それに見合ったギャラは発生させなければならないだろう。にも関わらず、グループを辞めることや事務所を辞めることに対し、お金を払わなければならないなんておかしな話だ……。  筆者(吉沢さりぃ)も一応、現役のグラビアアイドルである。そんなアイドルの端くれとして、今回の件には多くの疑問が残る。大人だったらまだしも、未成年や高校生に適切な判断がつくのだろうか。 ステージ 現在はアイドル戦国時代と呼ばれ、東京だけでなく地方をあわせたら数百社に及ぶ地下アイドル事務所が存在している。すべての事務所が悪徳ではないことを前置きしたうえだが、地方の悪徳業者の愚行が目立っているのは確かだ。  そして、その見極めは非常に難しく、“運”と言わざるを得ない部分もある。地下アイドル・地方アイドルの闇は深い。<取材・文/吉沢さりぃ>
ライター兼底辺グラドルの二足のわらじ。著書に『最底辺グラドルの胸のうち』(イースト・プレス)、『現役底辺グラドルが暴露する グラビアアイドルのぶっちゃけ話』、『現役グラドルがカラダを張って体験してきました』(ともに彩図社)などがある。趣味は飲酒、箱根駅伝、少女漫画。『bizSPA!フレッシュ』『BLOGOS』などでも執筆。X(旧Twitter):@sally_y0720
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